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「歩きスマホ」法令で規制すべきか?

歩きスマホを禁止する条例を作って欲しいという要望が各自治体に届いている。単なる迷惑を超え、歩きスマホの人とぶつかり、けがをする人も少なくない。
歩きたばこが各地で禁止されたように、歩きスマホも禁止に向かうのか?https://news.yahoo.co.jp/feature/1433
Yahoo!ニュース特集編集部
※この記事を読んだ人へのアンケートで9/12の午後14時時点で、みんなの意見として「罰則付きの法令で禁止すべき」が89.8%(投票数10,153票)であった


結論から言いますと、私は、歩きスマホを法令規制することは反対です。
まず大まかに反対である理由は

1、「歩きスマホ」の定義があいまい
2、法令で罰則をつけてまで禁止すべき「歩きスマホ」と、そうではない「歩きスマホ」がある懸念
3、ますます息苦しい世の中になる懸念
4、誰が現行犯で捕縛し罰金を賦課するのか →税金の使い道の優先順位

以下詳論します


1、「歩きスマホ」の定義があいまい

今の世の中、スマホを使わない高齢者以外はほとんどがスマホを所持しています。
私の場合、スマホを使っていなくても、外出時は常に手帳型スマホケースに入れ、ストラップをつけて手に持って歩いています。
画面を見ていなくても、です。
必要時にさっと取り出せる用ですね
ではこの場合も、私は画面を見ていないにもかかわらず、スマホをもって歩いていたのですから「歩きスマホ」に該当するのでしょうか
日本語だけで言えば該当しますよね。歩きながらスマホ、持ってましたから。
例え友人と語らいながら歩いていたとしても。
そのため、まず罰則をつけてまで法令で規制すべき「歩きスマホ」というものの定義が大変難しいと考えます
上記事例で私が歩いていて、人とぶつかったら、そのぶつかった人は私がスマホを手に持っているのを見て「歩きスマホだ!」と思うかもしれません
例え画面は見ていなかった、友人と一緒に語らっていたと言っても。
これは法令で規制すべき行為でしょうか?
実際他にもスマホを使っていなくても手に持って歩いている人は沢山います
歩きたばことの最大の違いは、「外見から見てすぐ違法であるとわかるかどうか」
歩きたばこは、歩きながらタバコに火がついていれば明らかです。吸っていても、いなくても。
そのため、周りからの目、という力も働きますし、現在のように歩きたばこをする人はほとんどいなくなったという良い結果を出せました
しかし、歩きスマホの場合、「外見から見てすぐ違法であることが明らか」ではない
普通に歩いていてぶつかることもあります。
酔っ払っていて、でもスマホは手に握りしめていて、よろけて人とぶつかることもあります
そのどれもが違法と断じることはできないと考えます
しかし、仮に歩きスマホ条例等が制定された場合、そういう場合であっても過敏に反応してぶつかった人が警察を呼ぶ等の過剰反応をしたり、実際は画面を見ていなかったのに誤認されて冤罪が生じてしまうリスクが大変高いと考えます


2、法令で罰則をつけてまで禁止すべき「歩きスマホ」と、そうではない「歩きスマホ」がある懸念

スマホ利用者の大半は、ゲームか、もしくは情報収集、Twitter等SNS、地図、辺りがスマホ使用中の内容だと思います
この中で、一番歩きスマホとして危険なのが「ゲーム」です。
電車でゲームが終わり切らずに、歩きながら引き続きゲームを続ける。そういうことはゲーマーである私もまま理解はできます。(私はやりませんが)
しかしそれが一番スマホの画面に集中していて、一番危険な行為であると考えます
私は歩きスマホはしません。ポケモンGOと類似のゲームでingressというゲームをしていた時がありましたが、その時も、必ずスマホに触る時、見る時は、道の端に寄り、迷惑にならない場所にて立った状態で操作をしてゲームを楽しんでいました
これは1の「歩きスマホ」の定義が曖昧、と関連しますが、私のようなスマホの使用行為は、それでは「歩きスマホ」なのでしょうか
歩きスマホの中でも危険な「ゲームをしながらスマホを使用して歩いて」います。
しかし、実際ポケストップのような場所に来た際には、必ず道の端に寄り、通行の邪魔にならない場所にて立ち止まり操作をしています
私は個人的意見ではありますが、私のような「歩きスマホ」であれば、周囲の皆さんにご迷惑をかけてはいないし、自身や周囲の方を危険にさらしているとは考えていません
このプレイスタイルは、GPSを利用して行われるゲームがやりたい、しかし危険は避けたいということで私自身が考えた結果これが一番、ゲームもできて、危険も少ないと考えました。
また、地元ではポケストップは頭に入ってますが、地元以外でプレイする場合には、歩きながら、チラッチラッと、スマホ画面上の地図を確認し、ポケストップ付近になったらまた、道端に寄り迷惑にならない場所で立ち止まってプレイをします。
このチラッと確認する行為が「歩きスマホ」と断じてしまわれたら、ポケモンGOはまずプレイすることができません
ポケモンGOやingressというGPSを利用したゲームは、ウォーキングの良いきっかけになっており、健康のために歩くきっかけとして利用されている方も大勢いらっしゃいます
その中で、ちらっと場所確認をすることすら「歩きスマホ」に該当するなら、ポケモンGO等のGPSを利用したゲームは全て違法ということになりませんか。ほぼ「歩きスマホ」(ちら見で場所確認含む)を前提としている為。
それは極端過ぎではないか、と考えます。
また、一番私が強調したい「違法性がかなり低い歩きスマホ」は、地図を見ながら歩いている人です。
知らない土地で、地図アプリを開き、ナビを受けながら歩くということはスマホユーザーでは日常の一場面かと考えます
その際には、知らない土地で、周りをきょろきょろ見渡しながらも、スマホもちらちらチェックするという歩き方になります。
これは違法だと断ずべき「歩きスマホ」でしょうか
それが、紙製の地図であったか、スマホであったかの違いしかないと考えます
そのため、「外見上は歩きスマホ」であっても、危険性の高い歩きスマホと、そうではない歩きスマホがあると私は考えます
そして、それは外見から簡単に把握することができません
そのため、歩きたばこと同様に議論するのは全くの筋違いであると考えます

実際私も、知らない土地で、地図アプリを見ながら道を歩いていた時に、大変な人ごみの中でたまたまたご老人と接触してしまったことがありました。
その時にご老人から「この歩きスマホが!!」と罵声を浴びたことは、ショックでした
ただ地図を見ていただけなのに、と言い返すことはできませんでした。
余りに突然、罵声を浴び、しかも私の歩く反対方向へそのご老人はさっさと歩いてゆかれたからです。人ごみの中で地図を開いていることは確かに危なかったかもしれません
人ごみで歩みを止めたら逆に邪魔になる場所だったがゆえ、周りの歩調に合わせ歩いていたというのはあります
しかし、知らない土地で、この交差点を曲がらなくて大丈夫だよね?と思いながらチェックしていた時だったので、「私、そんなに悪いことした!?」って凄く後で悲しい気持ちになりました
これが紙製の地図だったら罵声を浴びないで済んだのでしょう


3、ますます息苦しい世の中に感じる懸念

上記のような出来事を経験した私からしますと、正直「歩きスマホ禁止」なんて法令が制定されたら、スマホの便利さを使いこなすことを外部から制限され、しかもスマホを持ってるだけでも冷たい目線を浴びなくてはならなくなるのではないかという懸念を強く表したいです
地図を見ながら歩いていて罵声を浴びることは理不尽ではありませんか?
それがスマホだったか紙だったかの違いではないのですか?
それ以外にも、2で詳述したように、危険な歩きスマホと、そうではない歩きスマホがあると私は考えます
では、歩きスマホしている人それぞれをとっ捕まえては、何のアプリをしていたのか、ゲームだったら捕まえるのか、地図だったら許すのか、ゲームだったとしてもプレイを中断して持って歩いていただけの可能性がぬぐえない訳で。それをいちいち尋問して確認して回るのでしょうか?
そして、せっかく先進的で便利なスマホを気軽に使えるようになった時代において、逆にスマホを触りづらい空気にして何かいいことがあるんでしょうか
勿論、歩きスマホを奨励したい訳ではありませんし、危険な歩きスマホは私も反対です
しかしそこは、あくまでマナーとして皆さんで注意喚起するレベルのものであって、法令で規制するほどのものではないと考えます
マナー、ということであれば、自身の危険ということもありますし、ご自身でそれぞれ考え、私のようにGPSゲームを利用していても危険が最低限になるようなプレイの仕方を考えたり、という良い機会にはなるでしょう
しかし法令となると、上記のような冤罪や、理不尽な罵倒などがどんどん増え、どんどん息苦しい世の中になりませんか
そもそも、現代が何故息苦しいなぁ…となんとなく感じるか、といえば、きっと機械化が進み、昔よりもなんでもかんでもキッチリ規制されたりしている部分も絶対にあるはずです
キッチリ規制することが悪いとは言いません。むしろ平等で良いことだと思います。

ある人は脱税しても逃れられて、自分は逃れられないというようなことが、機械化が進み防げるようになりました。道交法違反や犯罪もまた同じです
人間は何でもキッチリ規制されることが、正義とわかっていても「息苦しい」のです
それで、更に歩きスマホという抽象的概念を用いて規制などかけたら、更に息苦しい世の中になりませんか

「外見からみて明らかに違法」とわかるものでない限り、法令で規制するよりはまず、マナーを守りましょうという啓もう活動のほうが大切なのではないかと考えます

4、誰が現行犯で捕縛し罰金を賦課するのか →税金の使い道の優先順位

日本は国家財政が大赤字です。
ぶっちゃけお金がありません。その為、難病であるはずのリウマチが罹患人数が多すぎて難病指定してしまったら経済的負担が大きすぎるという理由でリウマチは難病指定を受けられていません
それ以外にも、福祉の面で随所に、お金がないからできてないことが沢山あります。
その中で、更に歩きスマホを規制するとなったら、行政が駐車禁止区域を巡回する係員のように人を雇って、お金を払って仮に規制するとしましょう
そのお金は大赤字でにっちもさっちもいっていない血税から出ます
罰金もその人たちの賃金を賄えるほどは取れないでしょう
ということは、更に自治体・国の経済を悪化させ、福祉へのお金がまた止まります
お金を使う時に大切なのは、「優先順位」であることは国レベル、自治体レベルであっても、個人であっても同じだと考えます
今1番大切なのは、少子化対策、保育園の数を増やして労働力を増やすこと、病に苦しむ人への補助等の福祉なのでないか、と私は考えます

その観点からすれば、歩きスマホが行政の資金を使ってまで規制しなくてはいけないほどの害悪か、というとそうではなく、あくまでまだマナー啓蒙活動という形で民間で話し合うレべルのものではないかと考えます
また、仮に法令化したとしても、法令化するだけでも議員さんの時間を使い議決するのであるから、お金がかかっていることを忘れてはなりません
そしてまた、「歩きスマホ」という概念が曖昧であり、上述してきたような色々な側面があることからも、改めて、法令化の必要はない、と考えます

もし心に響いたならば……投げ銭のひとつやふたつやみっつやよっつ!!よろしくお願い致す!(笑)