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ジェニファー・ロペスとクリスマス

「日本人なのになんでチャランゴ弾けないの?」と嫌みではなく純粋に不思議がる子どもたちがいた。


チャランゴを弾いていると・・・

チャランゴやフォルクローレは日本で流行っていると誤解しているボリビア人が多かったという印象です。

私は優しく「チャランゴは日本の楽器じゃなくてボリビアの楽器なんだよ。私は日本に住んでいた時、チャランゴを見たことすらなかったんだよ」と答えていた。

ロス・カルカス

それは安室奈美恵さんが引退するから「アムロス」とかいう・・・
〇〇ロス、ではなく・・・
Los Kjarkas (Los は 定冠詞)。

面識はないけれど(前の記事にスキしてくださってありがとうございます)、ボリビアで一番売れているLos Kjarkas(カルカス)というグループでチャランゴを担当していたマコトさんは、日本人。

Los Kjarkasは、ボリビア全土で有名だった。
テレビをつけてもLos Kjarkas、
ラジオをつけてもLos Kjarkas、
祭りへ行ってもLos Kjarkas、

どこへいってもLos Kjarkas、
このグループでチャランゴという楽器を担当しているのは日本人。

だから、「日本人=チャランゴ」というイメージが定着していたのだと思う。

私が通っていた音楽教室も同じLos Kjarkasの系列だったので、「妹さんですか?」と尋ねられることが何度もあった。
「従妹ってことにしとけ」と言われたりもした。

そして否定してもサインを求められ、「私のサインでいいのだろうか?」と恐る恐る書いていた。

「10年後に価値が出る!」と喜ばれていたけれど、
あれから10年以上たった今でも私のサインの価値は上がっていない。

サイン会ではなく・・・


そんなある日、マコトさんのサインを偽造、いや代筆することになった。

ちょうどこのころ北米ではジェニファー・ロペスが
Los KjarkasのLlorando se fue という曲を使っていた。

著作権がLos Kjarkasにあるため、それなりの額が支払われていたらしい(という金の話はさておき・・・)

そのようなお付き合いでですね、
この音楽教室からジェニファー・ロペスへ
クリスマスカードを送るとかで、
わたくしは・・・、
事務員さんから「漢字でマコトって書いて!」と頼まれた。

こんなことしていいのかな、と恐る恐る。。
会ったことも無ければ親戚でもない大スターであるマコトさんのサインを
代筆した。

「誠」

と、書きました(私のへたくそな字で・・・


ほんもの、にせもの、ほんもの、にせもの、ほんもの、・・・


この半年後くらいにLos Kjarkasのライブへ行き
本物のマコトさんからサインをもらった。

アルファベットで「Makoto」とかっこよく書いてあった。

それを見たとき私は、ジェニファー・ロペスにもマコトさんにも、
ごめんなさい、と心の奥で謝罪した。

ほんものは人物もサインもかっこいいのに、
私が書いたにせもののサインは、へたくそな字でごめんなさい、と。

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