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#103 一生の後悔

謝罪も反省も好きじゃない。
だいたいは、これ以上もめても仕方がないから、それで手打ちにするというだけだ。

そんな私でも、ほんとうに心から後悔していて、天に向かって何度も謝罪していることがある。

10年以上の歳月が経過しても忘れられない出来事。
終電間近の山手線。

新宿駅から乗車して、吊り革の二つにひとつくらいは空いている程度の混み具合。
飲み会帰りの私は、池袋から歩いて帰るつもりだった。
たらふく飲んで上機嫌なわたしは、吊り革にぶら下がってふらふらしていた。

高田馬場で、背の高い男性にドンっと体ごと押し出された感じがした。

なんだと思って振り向くと、男性の背中の向こうに金髪ボブの姫っぽい女の子がいて、目が合った。

男性の手が、女の子の股間を前から鷲掴みにしていた。

痴漢だ…

あ!と思って顔を上げる、女の子と再び目が合う。

必死で私を直視して、明らかに助けを求めている。

でも、ごつい男性が怖くて…(言い訳…)
目線を外して、無視してしまった。

池袋駅に着くと、素知らぬふりして電車を降りた。

最低、最悪、ひとでなし。

あの光景をずっと覚えている。
助けを求める、あの目が脳裏から離れない。

あのときの女の子、助けてあげられなくて、ほんとうに、ほんとうに、ごめんなさい。

助けてもらえなかったあなたは、きっと絶望したでしょう。
怖かったでしょう。

このことばかりは、ずっとずっと、それはもうトラウマ級に後悔している。
何度謝っても、取り返せない失態。

仕事でどでかいミスをしたいくつかの記憶をぶっちぎって、これが人生で最上級の後悔。

痴漢野郎を野放しにした、私の罪。

誰にも言ったことがない、最悪なエピソード。

ここに書いても、許されるわけではないのだけれど。





つかマジ痴漢は性暴力だから!!!!

死になさい!!!!

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