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NFCスマートリングとは何か?3,373文字

2021年にようやく流行といわれるスマートリングについて、書きました。ここ数年はアマゾンが展開し話題になりましたが、最近ではVISAタッチの積極的な展開が見えてきました。

指輪で決済 MTG、スマートリング来春発売 ビザと連携
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD104GQ0Q0A211C2000000


2021年春に、シックスパッドで有名なMTGがVISAの決済機能をもったスマートリングの発売を発表しました。MTGが2017年にスマートリングメーカーを買収し、ウェアラブルデバイス進出を狙っていたのは、私自身知りませんでした。ソニー等の家電メーカーよりも先にスマートリングをリリースしたのは、非常に素晴らしいことです。

シックスパッドのときは、クリスチャーノ・ロナウドの広告採用が見事当たりました。スマートリングでは、どのような広告を打っていくのか、それによりソニーがFeliCaやwenaブランドをもつ身として、どのような対抗施策をとるのが非常に興味深い内容です。

そして次にエブリングの紹介です。
http://evering.jp/
エブリングは2021年2月以降の販売目標を掲げています。もともとVISA Touchの強いUKの商品を展開するようです。

またフィンランド発のスマートリングOur Ringも健康管理に特化した活動量計として2021年11月に展開予定です。


このように、2021年はスマートリング元年と呼べるほど、ニュースが発表されています。

そもそも2019年、アマゾンが販売開始したスマートリングは残念ながら撤退という結果になりました。これは決済ではなくAIスピーカー機能でしたが、マイクとスピーカーのみを搭載し、制御はスマートフォンに依存させるシンプルなつくりでした。しかし、イチイチ指を口に近づけて話すのは、スマートウォッチと一緒でダサいですよね。

さらにICタグを搭載しなかったため、電子マネーやセキュリティーキーとして使用できず、利用の幅が狭かったための失敗と考えられます。

体に埋め込むICタグ「インプラントタグ」の実現のためには以前詳しく書きましたが、指輪型ICタグはキャッシュレスでVISAが強い欧州中心に広まっています。

ちなみにアマゾンでは簡単に海外製スマートリングを購入することが可能です。ただし、マイフェアチップのみの搭載で、国内の電子マネー等では使用できませんのでご注意ください。

国内の展開を考えていくと、VISAタッチもサッカー日本代表堂安選手のCM起用やセブンイレブン対応など、マーケティング強化していくはずです。
一方で今後はFeliCaをもつソニーも「wena」をすすめて行くことでしょう。ただし、これまで通りFeliCaを搭載する為には高いハードルがありますから、ソニーが販売をしてもあまり良い結果は生まれないでしょう。
FeliCaチップ、リーダー、システム利用料を大幅に下げることも行いつつ、スマートリングを決済のほかにも健康などの利用方法で提案することが必要です。wena wristはデザイン性が好まれましたが、シェアはいま一歩。ゲーム等のコンテンツと絡めてもらうのが、楽しみです。

またAppleもスマートリング展開を狙っているでしょうし、Suicaと連携すれば、Air Pod同様に国内シェア獲得が見込まれます。

またなぜ、MTG以外の国内メーカーはスマートリング(指輪型ICタグ)を作らないのでしょうか?
①技術的問題
ICタグはアンテナの面接により、読み取り距離が伸び縮みします。カードサイズ85×54mmに対して、指輪だと大きくても10m㎡のアンテナサイズのため、カードに比べると読み取り距離が短くなります。
読み取り距離が短いと、安定的な通信がとれないため、リーダーに反応しづらくなり、「使えない」ということになります。
通信距離をのばすために、また活動量計として機能を増やすために、バッテリーを搭載して対策することもできますが、重量が増えてしまい指が痛くなる、使いづらくなることが予想できます。

②製造コストの問題
指輪は腕時計と違って着ける指の太さにあわせて購入する必要があります。腕時計はバンドに、装着穴がついているため、調整が簡単ですが、リングに穴を着けるとデザイン性や装着性を大きく損なうため、穴が付けづらいです。このためサイズ毎に製造する必要があります。

上記の通り、指輪型ICタグの開発は投資メリットに対して合わず、国内メーカーでは現状販売しないのが答えになります。
一方でSuicaが対応すれば、交通券や電子マネー、一部のセキュリティーにも利用できますので、みなさん購入されると思います。しかし、アップルでさえSuicaの搭載にかなり時間がかかりましたので、アップルがApple Ringを販売しない限り国内では大きな動きはないとも捉えられます。

最後に続けて、決済型スマートリングのさきがけとして以前Kickstarterで話題となった、スマートリングを紹介します。
このNFC RINGは4.5~16号まで幅広く取り揃えており、販売価格は8千円程になっています。正直ただのICカードが、指輪に収まっただけなので普及しませんでした。


https://nfcring.com/

次はバッテリーを搭載したスマートリングです。バッテリーを搭載することで、活動量計としても使用することができます。

指輪型スマートデバイスMotivで激変する「次世代の個人認証

Motiv スマートリング / mymotiv.com

https://forbesjapan.com/articles/detail/34274/1/1/1


次は、最新の研究で手先に貼り付けてOn,Offができるタグです。まだまだ使用用途は模索中のようですが、利用したいときのみ通信するというのは、セキュリティが高いといえます。
指先に貼ったシールでデバイス操作する新技術 RFIDでバッテリー不要


https://www.itmedia.co.jp/news/spv/2008/07/news071.html

またまだ発展途上なスマートリング。
バッテリーの進化とともり、デバイスが指輪型になるのは必定といえます。
国内ICタグも海外に負けず、画期的なスマートリングを販売してほしいものです。
以上!

参考

Echo Loop - Smart ring with Alexa - A Day 1 Editions product - Smallhttps://www.amazon.com/Echo-Loop/dp/B07JPK4XJ6?ref_=d6k_applink_bb_marketplace

2021年VISAが決済用スマートリングを発売
http://evering.jp/

残念ながらアマゾンもスマートリングを撤退https://jp.techcrunch.com/2020/11/20/2020-11-19-amazons-smart-glasses-get-an-upgrade-as-its-smart-ring-is-discontinued/amp/


http://www.jakcom.com/m/R4_eng.html
ゾゾファッションから抜粋
Jakcom R3 NFCは、ゲルマニウム・磁器・エネルギーストーンを内蔵し健康状態を改善しながら、内臓されたチップから3つの機能を使用することができるスマートリング。

3つの機能とは、ID機能・IC機能・NFC機能である。ID機能・IC機能は、クレジットカードや交通ICカードなど、それぞれ1枚ずつのカード情報をコピーすることができる機能だ。

そして最も注目されているのが、NFC機能。
NFCとは、正式名称「近距離無線通信規格」であり、近距離の物体へかざすだけで通信することができる機能のことだ。スマートフォンと連動し、指輪をかざすだけで画面ロックを解除したり、アプリを起動することができる。
また、相手のスマートフォンにリングをかざすことで、連絡先や写真や動画、URLなどを送信することもできる。仕事で頻繁に連絡先を使用することがある人にとってはとても便利な機能だ。

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