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[第二回]パッと見意味の無さそうな機材のメリットをこれでもかと解説してみる~ローラー編~

上の写真からわかるように、部屋が汚いのはご容赦願いたい。

まず始めに断っておくと、私はインドアトレーニング肯定派でも否定派でもないんですよ。

ただひとつトレーニングの手段として、ローラーは実走と比較したときに明確な優位性が獲られるのは事実です。

ではそれはどんな時なのか。
①L4~L6下限の苦しさを身体に覚え込ませる時。
②2h程度のL3~L2での巡航で、心肺のベースを作る時。

この二つのシチュエーションにおいては、実走よりもローラーの方が明らかに高いトレーニング効果を獲られます。

で、注意点。サドル、ハンドル、ペダルの位置は絶対に同じにした方が良いです。トレーニングバイクを使ってる人は特に。あ、でもハンドルは少し近くてもいいかも。反力の問題で実質的にハンドルが若干遠くなりますからね。

で、じゃあどんなローラーを使えば良いのか。
まあまずはそれぞれのメリットを解説していきましょうか。

三本ローラー

言わずと知れた、5年前までこいつ一択の情勢を作り出したスゴいやつ。実際今でも実用圏内に収まるローラーは数多く存在する。で、こいつのメリットと言えば超高回転域でのトレーニングを行えることだろうか。

で、なんでスキルアップじゃないのかって言うと、負荷特性と構造上の欠陥があるからなんですわ。

さっきもちらっと言ったけど、三本ローラーって特にローラーらしくて、要求トルクがとんでもなく低いんですよ。FTP100W位の人でも楽に2時間30km巡航出来るくらい。アウタートップなんて余裕で回りきる程。

その要求トルクが低い=超高回転域トレーニングに繋がると同時に、スキルがあっても危険なんですよ。車体が暴れるから。
…いやね。実走でケイデンス150回せますって人でも、まず間違いなく暴れる。すごく怖くい(昔はケイデンス160で10分とかよくやってたなーって常々思う)。

何でそれが起こるのかって言うと、ステアリングがめちゃくちゃ切り込みやすくなるからなんですよ。簡単に言えば左右の過重移動が実質不可能になるレベル。そんなことしたら即刻御陀仏間違いなし。詳しくは自転車 トレイル値でググってみよう。

三本ローラー
メリット

高回転域でのトレーニングがやりやすい(=心肺機能向上)
個人的には初心者にこそオススメしたい。

デメリット
高回転になりすぎる。
安物買いの銭失いになりやすい。
転ぶ。

DDローラー

で、今の主流。タイヤドライブなんて初期投資安いだけでメリットないからやめとけ。

こいつのメリットはトルクを掛けられることと、パワーレンジが広いこと。FTP250Wを越えた人にはこっちをオススメしたい。それまでは三本で事足りる。こいつの何が良いかって、殆どのモデルでパワーを測れることと、ZWIFT課金の意味が出てくることなんだよな。

端的にDDローラーのZWIFT課金のメリットは、ERGを使えるようになることの一つ。で、これ、めちゃくちゃ嫌われてる機能なんだよな。実際自分も使ったらめちゃくちゃ怒られる。でも自分としてはこいつに利用価値を見出だしてるから使う。

で、まずこいつのメリットを解説していくと、トルクレンジが広いからパワーレンジも広いことと、負荷で言えば実走に近くなるということだな。 
ただし注意点。トルク特性的にはそこまで実走には活かせないトレーニングになるのは事実。

普通にワークアウトなりレースなりやってても、やっぱりどうしてもトルク面の再現は微妙だなーって思う。あと一つ個人的な問題として、フォームの関係上ローラーだとケイデンスが実走よりも大体10位上がるんだけど、出力的にはかなり厳しかったりする。

じゃあDDローラーはどう扱うべきか。個人的には負荷のかかった状態での心肺機能強化の一択。その効率は三本よりもリアルに近い(では三本が不要かと言われるとそうでもない)。で、ここでERGが活きてくる。

私、別にローラーで強くなろうなどと考えてないのだ。単に負荷に慣れることとL5域での出力を上げることしか考えてない。L6以上になるとフォームが不自然になるし、L2付近でもやっぱり違う。この領域はむしろ3本が強い。で、SST~L6下限位までならフォームを崩さずに行けるわけで。

で、ここの領域はそこまで効率とかを意識しなくてもある程度は整ってくれるからERGを使ってもそこまで変化はない。なんならL7付近はぶっちゃけ実走でやるのが一番手っ取り早いから、個人的にはメリットの方が多い。なにせ心肺機能を鍛えたいだけなのだから。ちなみにこの効果、割と如実に出てくれる。ぶっちゃけレースにおける出力調整の必要な領域はL6以降故に、スキル面はそこまで必要ないPOWER is JUSTICEな領域である。DDローラーの出力特性を鑑みるなら、割と有用な機能である。

DDローラー
メリット

L5~L6下限付近までなら効率最強
心肺的な負荷が高まる領域のベースを作れる

デメリット
間違いなくペダリングは汚くなる
スプリントだったり無酸素域ではぶっちゃけ別ゲーになる。
初期投資がめちゃくちゃ高い

パワーマックス、ワットバイク

ぶっちゃけ意味のない奴ら。いや、強いて言うならL6以上に対応したDDローラーとでも言うべきか。
正直個人的には要らない子。まず個体差が大きすぎる。全開スプリントで出力差が10%あるってまずそれ欠陥。負荷もそこまでリアルという訳じゃない(乱気流の再現ができないならDDローラーの負荷変動で事足りる)。

強いて言うなら30-30とか30-15とかはやりやすいかなという印象。それだけ。

パワーマックス、ワットバイク
メリット

DDローラーよりも高い負荷に対応
スプリント系なら一考の価値あり

デメリット
高いし場所を取る
負荷特性がかなり気持ち悪い
L4程度ならDDローラーの方が気持ち的に楽。

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