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おせっかいは慎重に

同僚の話が聞こえつい口を出したくなったことは無いでしょうか?もしくは、なんにでも首を突っ込みたがる同僚が職場にいませんか?職場でのおせっかいな援助に関する研究について知ったので共有します。

同僚をおせっかいで助けることには慎重になるべき

You Shouldn’t Volunteer to Help Your Coworkers』で紹介されているJohnsonらの研究(The benefits of receiving gratitude for helpers: A daily investigation of proactive and reactive helping at work.)によると、求められていない援助を提供することは、以下の2点の理由で効果的ではなく、多くの場合相手は感謝の気持ちを示さないといいます。
① 部外者は当人の抱える問題を完全に理解しておらず、思い込みなどバイアスがかかった判断をしてしまうことがある
② 同僚は自分自身で問題を解決し、そこから学ぶことを望んでいるかもしれない

以下の一文に集約されるのではないかと思います。

If you swoop in without being asked, you’re more likely to threaten your coworker’s sense of autonomy and mastery at work and diminish his or her self-esteem.
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頼まれもしないのにしゃしゃり出ていけば、同僚の仕事における自律性や達観を脅かし、自尊心を低下させる可能性が高くなる。

なお、この研究は同僚同士の関係に焦点をあてたものであり、上司 - 部下の関係を考慮した場合には結果は異なるかもしれないとJohnson氏も述べています。経験則としても、上司 - 部下の関係の場合は、同僚の関係の場合よりも「求められていない支援」の有害性は下がるのではないかと思います。

おせっかいへの対処法

こちらを踏まえて、おせっかいへの対処法を考えてみました。

自分のおせっかい

自分がおせっかいをしてしまいそうなときは、上述の事実を思い出し、頼られるまでは口を出さず、自分の仕事に集中すればよいでしょう。

他人のおせっかい

おせっかいをしたくなるのは、その人が得意なことで、自分ならもっとうまくやれると思っているからだと思います。ですので、おせっかいをされたときは、ムッとする気持ちを抑えて、「うまく頼る」、あわよくば「お任せしてしまう」のが賢いのではないかと思います

これを行う上では、『人生が整うマウンティング大全』で紹介されている「マウントさせてあげる処世術」が効果的だと思われます。

「マウントさせてあげる」ことによって、十分な敬意を示すことができれば、相手は自分に対してポジティブな印象を抱いてくれるようになる。人間という生き物は、自分に好意を示してくれる人や自分という存在を丁重に扱ってくれる人に対しては、攻撃しづらいものなのだ。

マウンティングポリス.人生が整うマウンティング大全(p.145).株式会社技術評論社.Kindle版.

この本で解説されている共感型、尊敬型、謙遜型の例文をもとに、「うまく頼る」、あわよくば「お任せしてしまう」ための例文を考えてみました。

==共感型(相手の意見やアイデアに同意する態度を示す)===
うまく頼る:「まさに~さんのおっしゃる通りです。もう少し詳細に教えていただけますか?」
あわよくば任せる:「私ではそこまで深い検討をするのが難しいため、~さんにて直接対応いただいた方がよいかもしれません。いかがでしょう?」

===尊敬型(相手の経験やスキルに対して尊敬している態度を示す)===
うまく頼る:「この点については○○のプロである~さんのご協力をいただきたいです。」
あわよくば任せる:「私がいても伝書鳩になるだけなので、お任せしてもよろしいでしょうか?」

===謙遜型(相手から学ぶことがある、もしくは自分に至らない点があると認める態度を示す)===
うまく頼る:「私の理解力が追い付いていないせいかもしれませんが、イメージできないのでドキュメントに起こしていただくこと可能でしょうか?」
あわよくば任せる:「~さんが作成いただいた資料なので、~さんに説明していただくのが良いかもしれません」

以上です。

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