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はじめての「頭痛」

新型コロナウイルス感染症拡大はすでに第6波だそうで、「かかるのも時間の問題」といわれて、覚悟はしていた。職場より自宅のほうが、若干はやく感染症がまわってくる予感がしていたので、テレワークを多くしていたので、職場には持ち込まずに済んだが、それだけである。

保育園で、子が濃厚接触者扱いになって、自宅待機になった。そこから3日後に急に子が、発熱。近所のクリニックにPCR検査キットをもらって検体を提出して、「寝とく?」といったらおとなしく寝たので具合が悪いようだ。一応子ども用の解熱剤を手に入れて、待機していると、なんか気持ち悪いとかなんとか。

「なんかおでこのここがチクチクする〜と」いう。
「ははあ、それは頭痛だよ。頭が痛いんだね」
「頭じゃなくて、ここだよ〜」とおでこを指してプリプリしていた。

なるほど、この子はまだ「頭痛」とか「頭が痛い」とか「頭が頭痛」みたいな感覚がなくて、頭のあたりに何やら違和感を覚えているわけだ。

「おでこのここが痛いの?」「痛いんじゃなくてなんか押されてチクチクなの」

ヴィトゲンシュタインよろしく、親は子に「痛い」という言葉を教える瞬間があるのだな。この子にとっての「痛み」はまだ、頭痛とは紐付いてないらしい。確かに転んだときの痛みと、頭痛の痛みは別のものかもしれない。

久々に、言語発達途中の子どもに遭遇して喜ぶ、言語学者母でした。おしまい。

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