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どうやら糖衣について考え直す日が来たようだ

先日、飛行機で移動する出張があった。3日程の旅程だが、1日は確実にスーツを着なくてはならない。とはいえ、できれば飛行機に乗る時にスーツは避けたいし、スーツ以外の時はどちらかといえば自分の好きな格好で過ごしたい。そこで割とラフなスタイルで現地入りして、スーツケースにスーツを入れて出かけることにした。

私の仕事着選びのルーツと最近気になっている点については以前書いた。

今回、「やはりスーツについては根本的に考え直さないといかんな」というエピソードがあったので、その話を書こうと思う。


主張する服と埋没する服

飛行場で手荷物検査を終えて、ぶらぶらしていると、突然知り合いに声をかけられた。お互いに会うことを想定していない相手でとても驚いた。ずいぶん遠くから声をかけられて、「私ってそんなにわかりやすいか?」と思った。でかい声で名前を呼ぶな!とは思ったが。

この時はとりあえずホテルに着くまで、特に人に会う予定がなかったので、デニムのジャケットにストライプのシャツ、ジーンズというラフスタイル。制服とまで言わないが、普段からよく着る好きなスタイルだ。荷物を減らすべく、スーツに合わせた黒ローファーを履いているのが少々自分としては違和感なのだが、まあそこはしょうがない。

翌日ホテルでエレベーターに乗ったら、先に乗っていた方に「あれ?〇〇さん(私の名前)ですよね?どうもどうも」と声をかけられた。まずい、多分知っている人だけど、マスクしてると誰だかわからん。まあ元々割と「どこどこにいましたよね?」とか言われることの多い人生だったけど、なんかやたら声かけられるなあ、と思っていた。

そして最終日、朝からスーツで会場に向かう。荷物を預けて、プレゼンして名刺を交換して。この日は何故か徹底的に「他人に気がつかれない」一日だった。浮かないという意味ではいいのかもしれないが、どちらかと言うと知人に見つけてもらえなかったり、話をたって聞いていたら、目の前に立たれたり、列に並んでいると割り込まれたり、あまりよくないことが多かった。その日は元気がなかったとかそういう要素もあるのかもしれないけれど(どちらかというとその日が本番だったので気合いは入っていたはず)、なんか尊重されている感じがしない扱われ方だ。

自問自答が足りてない?

スーツ再考の記事でも書いたが、どうも年齢相応に見えない問題(かといって若々しいわけではない)が、尊重されないと言う結果につながっている気はする。何よりこのスーツは割と戦略的に作ったもの(好きではなく)と言うのがいかんのではなかろうか。

仕事用戦闘服としてのスーツの話は以前書いたが(上にリンクをつけた「「母が教えてくれなかったゲーム」が教えてくれた仕事用戦闘服)、同じ部署の上司たちが来ている濃紺スーツと同じ紳士服素材で、ポケット付き(ハンドバッグなし)、レディースというよりは背広っぽいシルエットのパンツスーツ。仕立てているから、フィットしているけど、好きとか自分らしさの要素は実はあまり入っていない。

どう見られたいか、メッセージは「男性の皆さんと同じように仕事しますよ」だ。 あるいは「女性ですけど、仕事をするからには男性のルールに則って過ごしますよ」かもしれない。

確かにキャリアの最初の頃は「女の子扱い」されないことが比較的重要だった。年上の上司について出張に出かけて、下の名前でチャン付けで呼ばれた日には、内実はどうあれ愛人に見られかねない。私の上司は幸いにしてそういうタイプではなかったが、親しみを込めて呼んでいるとかいっている友人の上司を見ているとしんどいなと思っていた。

それなりの年になって、自分の裁量で行ける範囲であれば、まあそういう社会ルールがあるのは知っていますけど、今回は私のやり方でいいですかといえるようになってきた現在、もっと違ったメッセージを伝える服を着てもいいんじゃないだろうか?

マイナーチェンジと糖衣のコンセプト

これでも前回のスーツ再考で考えていたモヤモヤをなんとかすべく、マイナーチェンジはしていた。

モヤモヤは以下の通り、→はやってみたこと:

  • 濃紺のスーツはまさに制服だけど、かっこよく着こなすおじさんたちを見ていると、自分の姿にワクワクがない(自分にあってない?)→これが今回の問題

  • 首から肩にかけておさまりの悪いシャツがある →着やすいシャツを新調した

  • ワイシャツの一枚がものすごく肩がこる →断服式で手放した

  • ベルトがイマイチ(あんまり見えないしと侮ってた)→コーチの艶消しゴールドのクラシックなバックルの黒ベルトを買った。お気に入り。

  • パーティで財布だけ持つ状況が増えたので、バッグを考えたいが、今使っているポーターのタンカーにハンドバッグ入れるのはあまり現実的ではない…ムムム →鞄に入れられ、長財布が入れられる小型バッグを購入

さらに今回の旅で感じたモヤモヤ+α:

  • スーツ用の革靴があまり気に入らない。できれば普通の時も履きたいからレースアップかハンサムな靴を探したい。→荷物になると思って靴1足にしたが、もう一足持ってきてもよかったかも(これからはサンダル)

  • 仕事の時の香水を出張時でも使いたい。→気にいったアトマイザーを見つけたので、小分けにして持ってきた

  • 自分で網棚に上げられる、新幹線で膝前におけることを条件にRIMOWAの軽量スーツケースを使っているが(これはお気に入り)、スーツを収納する機能が欲しい

全体に自分でやってみた工夫は良い方向に向かっている気はする。しかし、やっぱりスーツそのものを考え直す時期に来たと思う。上のスーツが発しているメッセージについて考えると、ちょっとモード系を考えてもいいのかも。
 自問自答ファッション教室に行った時に、あきやさんがおすすめブランドリストで少し考えながらモード系もとマークしてくださった姿を思い出す。それに「そう思ってほしくないのに、そう見えるものを身につける」という話もあったな、と今更ながらに色々と腑に落ちる思いをしている。

今の所、はっきりした自分に似合うコンセプトに沿ったスーツが思い浮かばないのだが、少しアンテナを伸ばして都会を歩いてみようと思う。


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