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真冬の朝にガスが止まった話


何事も面倒くさがってはいけない。
 という話


1月下旬の日曜夜。
また1週間が始まるという憂鬱な気持ちのまま、私はベッドにうずくまっていた。
「お風呂に入らなくては…でも動くの面倒臭い…明日朝でいっか。」
思えばこの先延ばしが、悪夢の始まりだった。

翌日、寒さで目が覚めた。冬の朝ってどうしてこんなに絶望感が漂うのだろう。
誰だ、「冬はつとめて」とか言ったのは。早く湯船に浸からなくては。

シャワーを出す。勢いよく水が出るのでしばらく待つ。
「・・・・・・・。」

おかしい。いつまで立ってもお湯にならない。
ガス代はクレカ引き落としだから払ってないことはないよな?給湯器押し忘れた?いや、デフォルトでオンにしてるはずだ。そんな風に色々考えている間にも、手には水がかかり続け、冷感は全身に広がる。最悪だ。

給湯器を見たら「11」の文字があったので検索したが、寝起きの脳みそではエラーであることしかわからなかったし、時間もなかったのでガス栓をチェックすることもできなかった。なんで早朝に…しかも、よりによって月曜日の早朝に…鬱に輪をかけて鬱だ。絶望のトリプルパンチに泣きそうになりながら、仕方なくスーツに着替え、水道で顔だけ洗う。ベタつきを感じながら会社に向かった。

昼休み。
朝に感じたベタつきはどんどん威力を増していく中で、ガス会社に電話するもガス代を払っていること以外には、確実な情報は得られなかった。お互い現物(ガス栓)を見れていないのだから当然といえば当然だ。
先輩社員にその話をしたら、「地震のせいじゃない?」と言われた。

言われてみれば日曜日の朝に地震あった。確かに地震で目が覚める位には揺れたが、一般的にガス栓の安全装置が働くのは震度5以上らしい(ネット情報)。私の住んでいる地域は3〜4程だったが、先輩によるとガスによっては震度4位の揺れで止まることもあるようだ。確証はなかったけど、状況的にそれが一番可能性が高かったので帰宅後にガス栓をチェックすることにした。万が一地震が原因じゃなかった時に修理会社を呼べるように、早く帰りたかったが、そう言う時に限って仕事は降ってくる。結局早く帰るどころかいつもより1時間遅く退勤。ベタつきは限界を迎えていた。

帰り道、なんで日曜日の夜にお風呂に入らなかったのかと自分を責めた。あの時、面倒くさがらずゆっくりとガス栓をチェックしていれば…湯船で温まることができたし、ベタつきに泣くこともなかったのに…。自分の先延ばし癖を恨んだ。

やっとの思いで帰宅。
ガス栓を確認すると、案の定安全装置が作動していた。すぐに装置を解除して、お湯が出ることを確認。これにて一件落着。
それにしても震度3〜4で止まるなんて、あまりにも慎重すぎるし不便すぎないか?まあ、閾値が高すぎて事故を起こすより100倍良いか。そういうことにする。

その日の夜、湯船に浸かりながら、お湯を浴びれるありがたみをずっと噛み締めていた。遠い昔、初めて火を使った人の気持ちが分かった気がして少し嬉しかった。


迷ったら、面倒くさがらず動くのが大事だね。。





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