「YouTubeの広告と未来を語ろう」に行ってきた話

7月4日月曜日。この日の私は気もそぞろで、しかも午後からインボイスの説明会を聞かないといけなかったりで全体的に集中力を欠いていた。
それもこれも、金曜日に急遽チケットをとったイベントがあったからだ。

これはつまり、するってぇと何かい?シルクさんを生で見る機会が訪れるって事ですかい……?
と、思いながら、通知に気づいたのが遅かったので急いで確認。無事にチケットが取れて当日を迎えた。
とれた後に「あれ?これって広告とかマーケティングとかの職務についてる人が行くべきなのでは?」と思ったけど、私も昨年販売業に異動したし、学生時代にマーケティングの授業取ってたし、シルクさんが会場にいらっしゃるということもそうだけど、単純に内容に興味があった。
それはやっぱりある動画がキッカケで出てきた興味でもあった。

フィッシャーズの動画を見るまで、このYou tube Works Awardsという賞がある事も知らなかったし、なんなら新参者の私は去年フィッシャーズが受賞していた事も初めて知った。
この動画の中で「TV CMでは狙えない親子層へのテーマパークの認知・拡大を達成することに挑戦しました」というナレーションがあり

・施設の広大さ、綺麗さ、面白さを見せる事
・クリエイターのキラーコンテンツである鬼ごっこを掛け合わせ、施設全体を活用したドローンと鬼ごっこという企画を制作
・その結果、動画は1ヶ月で400万回再生と認知の拡大に成功した

と、いう説明がある。
この説明、自分的には結構目からウロコというか「なるほど?!」って思ったものだった。
確かに、私は動画を見るまでモビリティリゾートもてぎの事は全然知らなかった。でも、動画に出たとことによって一気に「聖地」と化したモビリティリゾートもてぎに行きたいなと思う気持ちが強くなり、実際にイベントが行われている関係もあってか、もう2回も足を運んでいる。
Youtube Works Awardsの部門賞はこうやって、動画広告によって得られた成果をふまえて解説してくれているのだけど、自分自身が既に「動画によって施設の認知をした」存在になっている事に驚いていた。これは絶対面白いイベントだ!と思って、初めて生で拝見する事になるシルクさんにも、イベントの内容にもワクワクしていた。

当日の会場は下北沢にある『本屋B&B』という場所だった。
下北には最近全然来ていなかったので明るく開けた様子に驚きながら、普段全然いった事のない方面に歩き続け、そこに見えたのが会場のある建物連だった。
まだ本屋として営業している店内に入ると、一瞬にして様々なジャンルの本が目に飛び込んできた。そんな中でも、谷川俊太郎と寺山修司に目が行ってしまう。短編をコピー本のように装丁して販売している冊子などもあり、とてもイベント前のこの時間では見切れないくらい魅力的だった。今度、イベントがない日中とかにゆっくり来たいと思う。

開場中、嶋さんと明石さんはもうお酒を飲みつつ楽しそうにお話されていた。それを聞いてるだけでも楽しかったんだけど、明石さんがフランクすぎてすごかった。それと同時に私も緊張が増していく。開演時間になり、シルクさんが入ってきた時、私は心の中で目いっぱい叫んでいた。
「うわぁぁぁぁぁぁ生シルクさんだぁぁぁぁぁ」
現場初めてのオタク、限界突破です。

限界突破オタク、突破したまんまだと何も進まないので、冷静にイベントの内容についての感想を述べます。

Youtube Works Awardsの部門賞を一つずつ振り返りながら、上の動画にあったような具体的な数字として出ている効果も紹介されつつ審査員を務めた三人のあれこれを聞く内容。
一個の動画に対して三人の熱い語りが入っていく。多分もっともっと語りたかったんだろうなというのが伝わってくる程に話がずっと盛り上がる。
動画を見ている間にも、どんどんキラーワードというか、Youtubeで展開されている動画広告についてのあれこれが飛び出す。それは言われてみれば確かにそうで、それでもって普通に動画を見ているだけじゃ気づけない事ばかりだ。

話を聞いてて面白いなと思った事を箇条書きにする。

・渋谷駅に広告を出せば、道行く人が見てくれる。しかしYoutubeはYoutubeにアクセスしないと見られない。広告主とクリエイター、そして視聴者がいないと広告として成り立たない

・ただ登録者数が多いからって広告を頼んでも意味がない。その動画が視聴者にとって価値があるのか、それと企業の思いが可視化していないといけない

・時に【世界トレンド1位】などの、お金で買えない成果というのが現れる。そして、そのお金で買えない成果の中に【二次創作】がある。
世の中の『作られていないブーム』を生み出すすごいコンテンツは必ず二次創作が盛り上がる。視聴者側に立ってやりたくなっちゃうかどうか。それを鍛えるには、とにかく色んなものを見まくる。

・受け取り方を委ねるのも大事だなと思う。余白を残す方が向いている。Youtubeは投げっぱなしジャーマンではなく見た人がコメントを返せたりするのだからツッコむスキを残しておく。カリフォルニアロールを認められる人になった方がいい。

この、余白を残す方がいいっていう話、すごく印象的だった。
『ZOOMは会議の為に作られたから、まさかこれで合コンされるとは思ってないだろうし、ジップロックだって食品の保存の為に作られて、まさかお風呂入る時に携帯入れる道具になってるとは思わないじゃないですか』
これは嶋さんが仰ってたのだけど、ここすごくなるほどな~って思った。
この使い方こそが、まさにその製品の余白の部分なのだ。
違う方向から使い方や何かを見出す、それは物事の見方のヒントでもあったし、Youtube広告があるべき姿なんだろう。
広告を見て、その外側の余白を見る。そうすると企業が本当に広告として見せたいものが浮かんでくるのだろう。そして、それが感じ取られたからこそ、こうやって賞を獲れる広告になっていくんだなと思った。

そんな中、グランプリを獲った『VOICE PROJECT 投票はあなたの声』https://youtu.be/Ygtmbwj0sV4)には投票を呼びかけるという広告性の中に、現実離れした存在が、自分たちと同じなのだという目線を持たせる意義だったり、1つのドキュメンタリーとしての側面を持っているんじゃないかなぁという事、余白を感じた。あくまで個人的な感想ですが。


シルクさんの事

撮影が終わった後イベント会場に駆け付けたシルクさん。撮影後のビールが美味い!と沢山呑んでらした。
今回審査委員長を務めたシルクさんが、この広告たちをどう見てきたのか、プレイヤーでもある自分たちが動画作成とどう向き合っているのか。そんなお話が飛び出してゆく。クリエイター目線で見ている部分もあると言っていた。
『Youtubeはボクシングに近い。強弱をつけてどれだけジャブが打てるのか。』

そんな事を仰ってたのが印象的だ。
「視聴者があってこその動画である」と、視聴者を大事にしているのと同時に自分たちがどう作って行きたいかをとても大切にしているなと感じた。
自分たちの手が及ばない所で起こる盛り上がりを体験しているからこその重みだったり、もっともっと良いものを作ってやるぜ!その為にはいろんなものを見まくって吸収する!というのがひしひしと伝わった。

すごい人だなぁ。この先も、この熱意に負けていきたい。そう思った。


ホントはもっと書きたい話沢山あるんだけど

ここはひとつ、是非アーカイブ購入して見てほしい。
私の中では東京海上日動の『モンハン保険』の広告が最高に好きだったし、全体的に柔らかい雰囲気で話す嶋さんの可愛らしさとか、痛風が痛くて大変そうなのにバンバン面白い事話してくれる明石さんとか、真剣に取り組んだという事が感じられるシルクさんの表情とか実際に見てほしい場面だらけなので。

最後に休憩中のシルクさんが『恐竜の骨格』という本を購入していたという、可愛らしいエピソードだけ記して終わりたい。
休憩時間入って速攻買いに行ってたので相当気になってたんだろうなぁ。

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