ライブは良識で作られている。

どうにも腹立たしい事があったので、もう思い切ってnoteに書く事にする。
最近お笑いのライブを見に行った時にマナーの悪いお客さんにぶち当たる率が非常に高く、とても辟易としている。
お笑いライブ前にはK-PROさんのようにライブに関する諸注意を映像で流してくれていたり、OPMCで芸人さんが読み上げてくれたり、
アンケートに記入されている所もある。

こういう時はごくごく基本的なお知らせがされる。ネタ中の写真撮影はダメだとか、フラッシュを焚かなければ良いとか、音の出ない設定にしてあればいいとか、携帯電話をオフにするとかマナーモードにするとか、過度な飲食は控えてほしいとか。ごくごく普通の注意だ。
K-PROさんだと確か「水分補給以外の目的でのご飲食はご遠慮ください」
とかそういう注意書きだったかな。(うろ覚え)
初めてそれを見た時「それって当たり前なんじゃないの?」と思っていた。
しかし、その少し後くらいに自分が思っていた常識を越えた事がおきた。
某地下階のライブを見ていて、途中からいい香りがしてきて「後ろの方で芸人さんがご飯でも食べてるのかなぁ」と思ってふと隣を見ると、
隣の人がななチキ(セブンイレブンのチキン)食いながらチューハイ飲んでたなんて事があり。
客席での過度な飲食をする人が本当にいるのか、と少しショックを受けた。
私とその人の中では、客席で飲食していいものの判断が違うだけなのかもしれないけどとにかく驚いた。
普通客席でななチキは食わないと思うけど…と思いつつ、これは腹立つって言うより笑い話のカテゴリーに入れる事にした。

ところが、笑い話にもならない本当に腹立たしい事が立て続けにやってきた。
まずは「客席での私語」である。そのライブでは、アンケート用紙の下の方に諸注意が書いてあるタイプのライブで、写真撮影や動画撮影について細かく書いてあるので香盤表も併せて「助かる~」って思いながら目を通すと
以前はなかったように思える「客席での私語」についての記載が増えていた。
よっぽど苦情があったのだろうか、お友達やご家族とお越しになられている方は私語をお控えくださいとの旨があった。
そして、ライブが始まってOPMCの方が口頭でも言うくらい、徹底した注意があった。
やはりたまにライブ中に私語をする人がいるので、こういう公式な呼びかけは有難いなぁと思いつつ、ライブが始まった。
だが、私の列の後ろの人がライブ中に平気で話し出した。うるさいなぁ、でも気にしちゃダメだ、そう思えば思う程「私の見たい芸人さんの時にこいつらが喋ってたらどうしよう」に考えがシフトしてゆき、一応は目当ての芸人さんでも楽しめたけど、私語のうるささで中座して会場を後にした。

そしてその翌日、ななチキの人を見た地下階のライブでの出来事である。
私の席の隣は開いていて、その空いた席の隣に一人のおじさんが座った。
なんだかずっとガサガサしていて、ライブ中もガサガサしていて、気が散るなぁと思いながら目をやると、おじさんのポケットから白いコードが垂れていたのが見えた。
私は「こいつまさかライブ中にイヤホンつけるつもりじゃないだろうな?!」と思って横目で見ると
おじさんが次に取り出したのは電極パッドだった。
あの、低周波マッサージの、電極パッドである。
驚いて、舞台から目が逸れる。
おじさんはライブ中に電極パッドを自分の首や足につけて、ポケットにいれていたリモコンを操作しだした。
ライブ中に低周波マッサージにかかるおじさんの爆誕である。
もうネタより、ひとつ開けた隣でそんな事やってるおじさんがいるという事実がとても怖かった。
多分、ライブ終了までずっとつけていたと思われる。
と、いうのもそのおじさんが下手側に座っていた関係で、スピーカーがちょいちょい小さくハウリングを起こしていたからだ。
隣は怖い、ハウリングで耳も痛い、全然集中できない。
一度目が合ったので怖いながらも精一杯睨みを利かせた目で訴えてみたが
最後までそれは続き、終演後おじさんは普通に去っていった。

あっけに取られる、とはまさにこの事であった。
そして、立て続けに起こった客席の問題に段々と腹が立ってきていた。
何故今でなくてはいけないのか?
私語もマッサージも、終演後ではいけなかったのだろうか?
私語の人に関しては「外でやれ」だし、マッサージのおじさんに関しては「家でやれ」しか言いようがない。
私語に関しては完全にルール無視の行いであるが、マッサージに関しては「だってマッサージダメとは聞いてない」とか言われたらそれまでの事だ。かと言って「上演中にマッサージの使用はおやめください」なんて、そんなバカげた案内をされるわけがない。外でやらないのが常識だからだ。

ライブは生き物だ。お笑いに限った話ではない。
お笑いでも音楽でも、その日を逃したら、そのライブは二度と見られない。
そのライブを作ってるのはスタッフさんだし、演者さんだけれど、お客もその一端を担っていると思っている。
ライブは良識で作られていると思う。お客さんの心も一つになった素晴らしいライブも沢山知っているからこそ、余計にそう思う。
もう二度と見られないライブが、客の不備でぶち壊しになる状況なんてあってはならない。
何故今喋らなくてはいけないのか、何故今マッサージをしなくてはいけないのか。ライブ中にやる必要はどこにあるのか。もっと考えてほしい。
自分は大丈夫と思わないで欲しい。私語も、携帯をいじるのも、マッサージも。時と場所を考えてほしい。今はライブ中なのだから。
もしどうしてもそれを優先させたいのならば、ライブを優先させてる人の為にも【来ない】という英断はできないのか。
また会場にあの人いたらどうしよう。そう思うとライブに向かう足取りは
ほんの少しだけ重くなってしまうけどそれでもライブに行く。
お笑いのライブと、推しを見たい気持ちを優先させたいので負けない。

私は今回これを書いたのは、腹立たしい気持ちを発散させたいのもあったのだけど、単なる私の恐怖体験でもある。
「別に他に迷惑かかってる人いないんだから、わざわざ注意喚起しなくてもよくない?」って思う人もいるだろうけど
隣でそんな事やられてるのは怖いです。マジで。

むしゃくしゃしながら帰りに買った「六花亭の大平原」の味に癒されながら
次のライブは心の底から楽しみたいな、と思った。

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