カローデンの戦いから数年、ジェイミーはラリーブロッホ近くの洞窟に住み、伸び放題の髪と髭に包まれ、鋭く空虚な眼光を放つ山男のような姿になっていて、ジェイミーの孤独と悲しみが痛々しく画面に迫る。ジェイミーが仕留めた鹿を背負ってラリーブロッホに足を踏み入れた矢先、庭にいたジェニーの後ろ姿にクレアの幻を見てしまうあたり、かなり病んでいます。ジェニーが「イングランド兵にはお前はいないって言った、だって本当にここに弟はいないんだから」と言うシーンではジェイミーそして家族の苦しみが伝わりました。

ファーガスがジェイミー逮捕を狙うイングランド兵に後をつけられ、挑発したがために怒りを買い、左手を切断されるシーンはショッキングでした。まだ子供なのに、何てことを！幸い、ジェイミーに直ぐ助けられたファーガスは怪我の手当てをしてもらえたので大丈夫でしたが、先に起きたジェニー出産中の発砲事件でのイングランド兵による捜査とこの事件がジェイミー出頭の動機だったことは間違いない。削除されたシーンには、ファーガスの手を切断したイングランド兵をジェイミーが始末するシーンがあるのですが、本編に入れて欲しかったなぁ、視聴者スッキリシーンになるのに。

イアンが「私には脚が無い、あの子（ファーガス）には手が、お前（ジェイミー）はクレアだ」と言うシーン、上手いこと言うなイアンと思ったのですが、字幕にちょっと違和感が。”Clare with your heart” なんだから「お前の心はクレアが持ち去った」としたら文字数多いかしら。

ジェイミーがジェニーにイングランド兵へ密告させ、報奨金を家族に残そうとする計画はナイス。ただで転ばない逞しい姿はいいね。

その前日、洞窟で髭剃りを手伝ってくれた家政婦の未亡人がジェイミーに身体を任せようとします。拒絶しようとしたジェイミーに、彼女は互いに欠けているものを分かち合いたい、互いに先に進むために必要なものをと言い、それを悟ったジェイミーが応じます。この２人のセックスは何だったのだろう？

初め私は牢屋に入れられるジェイミーを不憫に思って彼女が慰めようとしたのかと思ったのですが、そうではなく、互いに最愛の人を喪って悲しくて孤独で寂しくて仕方のない心を互いに慰め合うということ？原作を読むともう少し理解できるのでしょうか？原作第６巻に過去を語る場面で話が出てきましたがいまひとつ納得できず。

孤独と悲しみの２人が寄り添ったセックスに対して、クレアの世界でのフランクとクレアのセックスもこれまた悲しい。ジェイミーの方は相手を想いやっていたけど、クレアの方は全くだもんね。フランクが可愛そうだわ。