型紙

知られていない職業を知ってもらうサービスあればいいのにな

個人事業主になると「SNSや発信を頑張りなさい」と必ず言われます。
それは150%正しくて、自分がやっていること、できること、考えていること、自分という人のこと、発信しないと誰にも興味を持たれないし何もおこらない。
でもたまに思うのです、昔の電話帳みたいに「こういうの頼める人いないかな?」「こんな仕事している人がいるんだ!」と可視化できるサービスがあればいいのにな。


世の中はネット上にすべての情報が載っているわけではなく、個人商店は業界内でのつながりや知人つながりの仕事依頼が多いと思います。
物作り系の友人が集まると「コレ製造してくれるメーカーさん知らない?」「箱ってどこでお願いしている?」「箱をデザインしてくれるデザイナーさん知ってる?」誰かこんなことしてくれる人やメーカー知らない?知らない?と人づてに探し合います。
一方でパッケージデザイナーの友人は大きなお仕事をもらう会社さん以外にお仕事もらえそうなところを探さないとな〜、とぼやいていたり。


もちろんクラウドワークスランサーズの様なサービスもあるのは知っているけれど、もう少し違う。
小さい頃、電話帳をめくるのと「こんな仕事をしている人がいるんだ!」と眺めるのが好きだった。
そんな感覚。


『フリーランス』というとスタバでMacをカチカチ叩いている雰囲気なイメージなのですが、私の知っている職人系の『個人事業主』は機械と革にまみれてパソコンは苦手、という人が多いです。
未だにやり取りはメールではなくFAXだったり、高齢の職人さんの工場に行くと大きなソロバンで金額を計算してます。
みんな「知られている職業」をしているのではなく、一つの作業工程を請け負っている職人さんや小さな工房です。


私は革とリネンでバッグを作っているのですが、革は取っ手の革を抜いてくれる「裁断職人」さんにお願いしています。
クリッカーという機械で丁寧に革を裁断してくれます。
また、ネームの押印はネームを押すのを丁寧にしてくれる「箔押し職人」さんにお願いしています。
そしてトップ写真は友人である「グレーディング職人」の工房で撮らせてもらった型紙の残骸です。
グレーディング職人とは、靴の型紙サイズを拡大縮小する職人さんです。
みんな一般的に知られていない職業だと思います。

検索するということは、その職種名やその職種を知られているから「検索」できます。
でも世の中には知られていない職種は検索されずに知られない。
なんだかそんなことがモヤモヤしているのです。


私が長年携わっていた靴業界の靴製造は国内から海外にどんどん移行しています。
そうすると今まで請け負っていた仕事がなくなったり劇的に少なくなった職人さんも多いのですね。
でも靴でなくても「こんな技術をもった職人さんがいるんだな、こんなことできないかお願いしてみよう」というアイデアや仕事依頼が他の業界の人から来たりしてくれないかな?と思うのです。


世の中には検索できない職業をしている人もたくさんいる。
そんな人が知られるサービスがあればいいのにな。
と、他力本願なことを思うこの頃です。




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