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子供を産まない人生について発信をするということ

今年やってみてよかったと思うこと、それは子供を産まない人生についてTwitter(今はXか…)で発信すること。

なんだそんなことか、と思う方は思うかもしれないけれど、私がこうして発信ができるようになるまでにはとても時間がかかりました。

子供を産まない人生について発信ができるようになるまで

私は2020年3月、28歳の時に初めての妊娠で授かった子供を生後すぐに亡くしています。亡くなる前(妊娠後期)に重篤な胎児異常を診断され、おそらく新生児期である1か月以内に亡くなってしまうこと・亡くならなかったとしても自力で呼吸もできなければ身体も動かせず、あらゆる管に繋がれた状態になることが予想されていました。まだ見ぬ子供が生まれた後のこと、介護をする私たち夫婦のこと、社会情勢…医療や介護福祉に明るくない私たちなりにあらゆる角度から調べて考えて積極的な治療を選択しなかった結果、生後すぐの看取りとなりました。

同じ気持ちを分かち合う相手がいない問題

経緯も経緯だけあり、この手の話は一緒に向き合う夫以外は話しづらいし、夫相手だったとしても話し過ぎてしまうと私のせいで余計に辛い気持ちにさせてしまっていました。なんでも話していいよと言ってくれる家族にも友達にも子供を亡くす経験をした人が誰もいなかったこともあり、同じ気持ちを共有できる相手が欲しいと思うまでには時間がかかりませんでした。

じゃあSNSで交流をすればいいのでは…となるところですが、同じ経験をされた方(天使ママ)のSNSを見ると、子育てをしたかったという思いを投稿されている方、次の出産をしたい方や実際に無事出産された方、それが叶わない方でもできることなら次の出産をしたかったと投稿されている方がとにかく多くいました。

私としては子供を亡くすまでの過程で抱いたどす黒い感情を許すことができなかったし、亡くしてからも子育てってなんだろう…と考えれば考えるほど【もう産みたくないし育てたくもない】という気持ちが強固になっていました。
同じ天使ママという境遇ではあるものの、天使ママとしてもう産みたくないし育てたくもない旨を発信をしたとて、見た方はいい気はしないだろうなというのはよくわかりました。考えすぎなのかもしれないけれど、そういった事情もあり発信ができずにいました。

転職をしたことで感じた辛さと得られた気づき

辛い気持ちは時間薬が癒してくれると知ってはいても、1年経っても2年経っても、私の頭の中は昔流行った脳内メーカーで表現すると「子」「死」でいっぱいであることには変わりなく。忙しい職場に転職したら頭の中の「子」「死」を少しでも減らせるのではないかと昨年転職をしたら、転職先では結婚している方の中で子供がいない方が私以外0という事態が起こりました。
もちろん転職先の方は私が子供を生後すぐに亡くしたことは知らないし、31歳という妙齢故にやんわり将来的には子供を持つ前提で話をしてくる方もいて、いっそのこと子供がいない理由とか子供の意向とか直接的に聞いてほしいとすら思うものの、色々言葉に厳しい昨今そんなことは起こりません。(ある意味で治安のいい職場に出会えて幸せだとは思います。)

子供を亡くし、もう産まないという選択をしただけでこんなに転職先で息苦しい思いをするなんて、というか周りは私の子供の有無や意向にさほど興味なんてないだろうに、なんで私だけが苦しんでいるんだろう、変なのと思う日々。

そんな矢先にふと「私の今のライフスタイルって既婚子なしだよな。既婚子なしというライフスタイルを軸にSNSで投稿をされている方はいないのかな…」と思い探してみたところ、結構いることが分かりました。
子供には恵まれなかったけど辛い気持ちを吐き出しながら前向きに生きている様子を投稿をされている方も結構いる。この軸でなら気持ちを吐き出してみてもいいのかもしれないということで、Twitterで子供を産まない人生について発信を始めました。2023年の元旦、子供を亡くしてから2年と10か月が経とうとしていました。

なんだこの暖かい世界。もっと早く始めていればよかった。

これが率直に抱いた感想です。子供がいないことで感じる生きづらさについての投稿に共感をしたり、楽しそうな投稿を見て夫婦二人だからこその楽しみ方もあるんだなと学ばせていただいたり。そしてなによりお互いの幸せを願っていることが言葉の端々から感じ取れる。もっと早くに始めていれば悩む時間も少なかったのになと思うくらいです。

私の拙い発信を通して、経緯は違うにしても同じ考えの方と出会えたり発信に共感いただけることが、これほどまでに救われることだとは思いませんでした。おかげで【もう産みたくないし育てたくもない】私を受け入れることができて、いつまでも子供を亡くしたことだけに囚われ過去に向いていた思考が”今”に向くようになってきました。今年やってみてよかったなと10月くらいから思っています(早い)

子供について踏み込んでくる方との向き合い方が確立できた

子供を産まない人生について発信をするようになってよかったなと思うことはもう1つ。
子供の話題はデリケートで本人が話すまでは聞かないという文化は徐々にできつつありますが、まだまだ「子供はいるの?」と聞かれたり、ひどい時には「なんで子供がいないの?」「これから子供は産まないの?」と聞いてくる方も。そのような方々との向き合い方を確立することができたことです。

私としては子供を亡くした経験も含めて今の私が形成されているので無かったことにしたいと思っていないですし、私の他に辛い思いをする方が一人でも減ればいいなという願いも込めて、子供がいない理由や今後の意向について踏み込んで聞かれた時は、子供を亡くした経緯と子供を産み育てることが【私にとって】幸せなことだと思えなくなってしまったことを正直に話すようにしています。

聞いてきた相手はこれ以上は踏み込んではいけないと黙り、血の気が引いたり、泣きそうになっていたり。その姿を見るたびに申し訳なく思ってしまい、もっとうまい言い回しがあったのでは…と過剰なまでに一人反省会をするまでが私のルーチンでしたが、同じ境遇の方の投稿を見るにつれてこれでいいのかもと思えるようになりました。おかげで子供について踏み込んで聞かれたらどうしよう…と一人泣きながらシミュレーションを繰り返すばかりだった状態からも脱することができつつあり、頭の中の「子」「死」の数は全くなくなることは無くても、徐々に少なくなってきています。

最後に

子供を産まない人生について発信を始めたのが今年の元旦で、早いもので1年が経とうとしています。
決していいねとは言えない発信も受け止めてくださること、いろんな思いを分かち合ってこれたフォロワーの皆さんにはただただ感謝です。

来年も引き続き前向きに、私らしく生きる姿を発信することで、おこがましいかもしれませんが元気を与えられるようになれたらいいなと思います。そしてたまにはTwitterでは収まりきらない文章をこうしてnoteに書けるといいな。

改めて、ありがとうございました!そして来年もよろしくお願いします!

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