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読書メモ『考える練習帳』

『考える練習帳』著者:細谷功


「考える」ことについて普段考えたりすることはありますか?
「もっと自分の頭で考えろ」と言われても、どうすればいいの?
AIの発展により今ある人間の仕事が無くなっていくと聞いて、なんだか不安だな・・・。
本書はこんな人におすすめです。

  • AIに負けない「考える人」になりたい

  • そもそも「考える」とは?を知りたい

  • 「考える」ためのヒントを知りたい

まずは「考えていない」ことに気づくこと

本当に考えていない人は、本書を決して手に取ったりしません。

細谷功「考える練習帳」,㈱ダイヤモンド社,2017年10月25日,46頁

「無知の知」という言葉の通り、知らないこと、考えていないことに「気づく」ことが不可欠です。
ここが一番ハードルが高く、しかし「気づいたら」勝負は着いたも同然。
世の中は圧倒的に考えていない人の方が多く、しかもそれに気づいていない人も多い。

私自身、普段何も考えられていない人間だな・・・と思っていたので、気づけただけでもよかったのかと、ちょっと励まされました。

AIに負けない「考える人」

AIは知識や経験の「量」で勝負する仕事が得意です。
AIが得意なことで人間が勝負を挑んでもかないっこないので、人間は「人間だけができること」に集中するべきです。
抽象度が高い仕事は、AIよりも人間の方が得意だと言われています。

そもそも「考える」とは?

  • 考えるとは「疑ってかかること」

  • 考えるとは「正解を求めないこと」

  • 考えるとは「川上」と「川下」の違いを理解すること

流れる川をイメージしたとき、上流のほうは水の量が少なく、大きな岩場があるが、下流にいくほど川幅や水の量が増え小さな石ばかりになってくる。

「川上」とは大きな構想を練るといった、「抽象度」が高いもの。
「川下」とは標準化されたやり方や「具体性」が重要なもの。
違いを理解して、考え方を変える必要があります。

本書には38個もの「考えるとは○○である」があります。
こんなにも「考えること」について考えられた本があるとは・・・。

「考える」思考回路へ

  • 「常識」という言葉を使わないで説明できているか?
    (「なぜそうなのか」理由を説明できないときに使いがち)

  • 物事を「正しいか間違いか」で判断しない
    (すべては前提条件次第ですぐに変わってしまう)

  • 正解を求めない
    (世の中には正解がないもののほうが圧倒的に多い)

見えないものをつなげる

「考えている」か、「考えていない」かの違いは「目に見えないつながり」が見えているかどうかです。
例えば「手段」は目に見えやすくわかりやすいが、「目的」は見えづらい。
手段の目的化はしばしば起こりがちです。

この「見えやすいもの」と「見えにくいもの」をつなげて考えられるようになるためには「なぜ?」を問うことが重要です。
「なぜ?」は自分の頭で考えるための重要なキーワードになります。

見えるもの「具体」と見えないもの「抽象」

具体と抽象の間をつなげることが「考える」ということ。

抽象的でわからない問題を具体化して考えてみる。
具体的な問題を抽象化してほかの問題にも応用できないか考えてみる。
この両方向の思考ができる状態が「考えている」ということ。

具体例を自分で考えてみる

抽象的な話をされたときに、「もっと具体的にわかりやすく話してよ・・・」と思いがちですが(私自身がそうです)、相手から説明してもらうばかりではなく、「具体例でいうと、こういうことですかね?」と質問できるようになりたいと思います。

「違うよ」と言われたら、「えーっと、ではこういうイメージですかね?」とめげずに返してみる。
すぐに相手のイメージ通りの具体例が出せるとは思いませんが、続けていくことで、「抽象→具体」の変換が今よりできるようになると思います。

AIに負けないまでも、せめて「具体的に説明されたことだけしかできない人間」から一歩前進したい、と思いました。

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