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スーパーで買えるワインの税抜き3桁赤チャレンジやってみた


タイムマシンに乗ってワ活を振り返る6

前年までは白ワインでさまざまな比較をやっていましたが、

赤ワインも色々と飲んですっかり飲み慣れて来ましたし、スーパーや酒類の量販店なんかで買える、普及価格帯の赤ワインを比較したくなりました。

今回の前提条件は

  • 出来る限り国と品種を別々で、それぞれの国で代表的な品種

  • 単一品種をうたっているボトル

  • 入手性はそこそこ高いもの

  • 割引含めて税抜き3桁、飛び出てもちょっとだけのもの

というもので近所のスーパーで集めました。

飲んだ順に以下のような感じでVivinoに記録しています。この時期は割引含め税抜き3桁で買えたものも、最近では1〜2割くらいは高くなっていますので、現時点で3桁縛りをすると当時のワンコインクラスのみを並べることになりますので、なかなか厳しいものがあります。


今回のラインナップと評価

アルパカ カルメネール
Alpaca Carmenère 2022

チリのワインは安くても優秀

★★★(3.0点)

スーパーで税抜き3桁で買える赤ワインを試してみるシリーズ開始します。同価格帯ばかり続くと修業色が強くなってしまうので、間に色々挟みながら緩くやって参ります。

最初はチリの代表品種のカルメネール、セール中だったようで税抜き400円台後半、関税優遇措置とかあるにせよ、チリのワインの普及価格帯は心配が先に来ます。

当然スクリューキャップ、Alc12.5%、透けない濃いルビー、ピーマンや牛蒡、黒ベリー、思ったより果実味が強すぎず飲みやすいですが、初日はピーマンやセロリ香が強く難易度やや高め、2日目は落ち着いて良好になりました。ただこの価格帯のワインの用途を考えると、複数名で肉類の食事に合わせて開栓して、すぐに飲み切ることになると思われますので、CSやメルロー、ブレンド品を選んだ方が香りや舌触りに癖が少なめで使い勝手はいいかも知れません。
価格対比で2日目だけなら3.5、あくまでも向き合わないための1本(笑

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ベリンジャー カベルネソーヴィニヨン
Beringer Main & Vine Cabernet Sauvignon2018

アメリカは入れたかった

★★★(3.0点)

スーパーで買える3桁赤、2本目は通常価格だと4桁になってしまうこちら、セール割引で税抜き約900円、サッポロビール扱い、CS一応100%、アメリカは単一品種表示基準が緩いので、標榜する渋みを抑えた作りにする為に多少のゴニョゴニョの可能性もあるかも、しかしそれはこの価格帯での商品にとっては穏当な手法と思います。

短いけれど集積材のコルク、少し濁りを感じさせる明るめなルビー、Alc13%、赤黒ベリー、濃いバラとかの雰囲気も平面的で酸味は強くなく甘味はそこそこ強め、それを予想して冷蔵庫の野菜室で冷やしていたのがハマりました。

肉類を中心に少しジャンキーな食事に合わせたり、野外でのBBQといった様々な場面で適合も難しくなく、大半の方にとって楽しく伴奏を務められる1本なのでは? この価格帯より上でもパッとしないものがある中で、割り切った方向性に関心しました。

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イエローテイル シラーズ
Yellow Tail Shiraz 2021

オーストラリアはカンガルーよね

★★★(3.0点)

スーパーで買える3桁シリーズ、国際シラーの日に合わせて普及価格帯のシラーズです。取扱はサッポロビール、少しセールか税抜き約800円、当然スクリューキャップ、割と濃いルビー、Alc13.5%、黒ベリー、少し胡椒、しっかり目な甘味に果実味は割と適切、少しスッとする感じはあります。酸味に耐性が少ない一般の方に合わせて、またおそらくなのですが、冷蔵庫保管を前提としての甘味の残し方なのかなぁと感じます。2日目も野菜室保管で何も変わらず良好です。

初日、2日目ともスーパーの惣菜に頼っていただいたのですが、スパイス感が適合する可能性を考えて、スーパーのベーカリーコーナーで焼かれた、ちょっとだけいい感じのカレーパンを選んでみたらこれがドンピシャ。他に買った肉類の惣菜、根菜サラダなんかを抑えて最高の組み合わせとなりました。

やはり大手酒造会社系列が取扱う普及価格帯、時々はいただいて自分の生意気になりがちな感覚をリセットしたほうがいいですね、そりゃ厚みとかはないかも知れませんが、一般的な食事、惣菜なんかとの適合は必要十分だと思います。

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メスタ テンプラニーリョ
Mesta Organic Tempranillo 2020

スペインならこの品種

★★★(3.0点)

スペインといえばやっぱりテンプラニーリョですね、取扱はメルシャン、割引で税抜き約0.8k、スクリューキャップ、安定剤使用の王道路線、しっかり目なルビー、Alc13.5%、赤よりも黒ベリー系、タンニンを覆い尽くすしっかりというかべったりした甘味、初日はスパイス感少なめも2日目以降は少し出て来てホッと一息。

適当な食事と色々と合わせながら様子を見ていく中、結局は濃い目味付けな肉類との適合がありました。バーベキューソースとか丁度いいのでは?
肉食な若い方なんかと予算を肉類重視にしたアウトドアな会にビールとともにクーラーボックスに入れて置いて、ワイワイ騒ぎながらグラスも気にしないで飲みたいところ、スクリューキャップならそんな場面でも悩むことありませんし。

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ロシェマゼ ピノノワール
Roche Mazet Cuvée Spéciale Pinot Noir 2020

フランスはラングドックルーションから

★★★⭐︎(3.5点)

今回の3桁赤チャレンジの本命が期待された、安旨ワインの名産地ペイドックのピノノワールを投入します。
いつものスーパーで税抜き約0.9k、偉そうにいつもなんか書いてるやつの1/3〜1/4以下の価格ですが、特にピノノワールには厳し目な評価基準になります。

Alc13%、割と透けない濃い目なルビー、スッキリしないし香り少なめなのは野菜室から出してすぐなせいもありつつ、甘草、濃い紫色の花、口に含むと赤ベリー、甘味は最小限、厚みとかを求めてはいけませんが、食事との相性は良さそうな、やや陰性な酸味と甘味のバランスが良いと思います。

ブルゴーニュのやつと違って切れ味はあまりないので、刺身とかとの相性は微妙かも知れませんが、日常的なスーパーで買えるような惣菜とは上手く適合出来そうです。

但し八百屋さんで買った普通にあちこちで買えるようなミニトマトが何故か苦味を強烈に引き出してぶつかりました。生野菜で加えるならサラダ仕立てにして、ドレッシングや他の野菜と組み合わせていただくのが良いと思います。

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タヴェルネッロ サンジョヴェーゼ
Tavernello Organico Sangiovese 2020

イタリアならサンジョヴェーゼ

★★★⭐︎(3.5点)

3桁赤チャレンジシリーズは後半戦に突入、税抜き0.9kちょいなのですが同じタイミングで買ったやつに100円引きのクーポンがあったのでこれに当てて税込みでも3桁だと言い張ります。

Alc12.5%、サンジョベーゼ単一、扱いはサントリー、当然スクリューキャップ、食事を用意する前に開栓して出来上がった頃には45分ほど経過、酸味と舌触りのバランスを考えての仕草は、品種を考慮して安い価格帯でも有効かと思います。

少し革製品、ザクロ、ラズベリー、口に含むと酸味はさほど強くなくもサラッとした感じで、タンニンも優しく後口に弱めな甘味もあり、難しさのないちょうどいい雰囲気があります。

厚みとかそんなことはどうでもいいかなぁ、初日はトマト缶使って野菜と鶏肉の煮込みでは予想通り良好な適合、2日目はあるものを雑につまみながら、生産地も品種も違うので比較しようもありませんが、この価格帯では前回のロシェマゼのピノノワールよりもこちらが好み、結局は自分にとっては酸味が命なのです。

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ドミニオ デウンクス ガルナッチャ
San Martin Domaine de Unx Garnacha Old Vines 2018

スペインがもう1本になっちゃいましたがこの判断が正解に

★★★★(4.0点)

スーパーで買える3桁赤で面白そうに見えたスペインのガルナッチャ、ドミニオ デウンクス2018、ドウシシャさん扱いのお買い得品、税抜き0.8kを切りますが酸味と風味のバランスはなかなかに良好で、初日だけなら価格帯を大幅に超える良品です。

割と透け感あるガーネット、ザクロとかの赤い果実、若干の革製品、口に含むと少しスッとするスパイシーなハーブ感、タンニンもさほど強くなく、Alc14.5%との表示ですがもう少し優しい感じ、気がつくと酔いがまわるタイプなのかも知れません。

価格を考えると口当たりに少し厚みがありますので、強すぎない肉類や日常に食べるような家庭料理に合わせて丁度いいのかなと感じます。今回は初日スーパーで買える肉類の惣菜とベーコンエビ、2日目は冷凍保存してたキノコたっぷりのスープ餃子、値引きされてた加熱用唐揚げ惣菜を例によって油少なめで焼いてOKでした。スーパーで買える3桁赤の暫定トップはまたもや更新でこちらに、尚、冷やし過ぎないようにするのが大事。

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ケーダブリューブイ ピノタージュ
KWV Classic Collection Pinotage 2021

南アフリカは外さないですね

★★★⭐︎(3.5点)

スーパーで買える3桁赤の最後(延長戦)は南アのKWVのピノタージュ、普段は税抜き1,000円で買えるやつがちょい割引でした。

スクリューキャップ、Alc14%、物凄く濃いルビー、落ち着いた酸味、少し革、土、ややタイトな黒い果実、深みはないけれど少し上の価格帯をイメージするやや陰性なバランス感。

この価格帯で本格派な酸味と果実味の落ち着いた雰囲気のバランスをキープしている南アのワインのぶっ壊れ具合が凄いです。ちょっと大人の階段を登って入り口を覗くことが出来た感じ、それがいつもの近所のスーパーで体験出来る素晴らしさ。

評判の一部のボトルや生産者さんはカルト的な人気で入手困難になりつつありますが、この世界の基準であるフランスのワインの方向性を手頃な価格帯で実現している南アは、まだまだ追いかけて不満が出にくい世界だと思います。初日の開栓から2日目、1日飛ばして4日目とセラー保管からはあまり減衰せず良好、簡単な食事とも破綻なく素敵な1本。

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おしまいに

普及価格帯の赤ワインとして集めたもの全てを飲み終えて思ったのは、スーパーで並ぶボトルだからと軽く見てはいけないということと、とはいえ気楽に楽しんだ方が良いということ。

毎日高いものを飲み食い出来るような生活水準ではありませんし、程々の品質のものを軽い気持ちで適当に楽しみたいと思うこともあります。たまに高級なものをいただくと優秀さに感動しますが、そればかりだと疲れてしまいます、何事もメリハリが大事。そのためには年間の中でこういった企画を組むのがいいと思いました。

*ちなみにスペインのガルナッチャは2023の年間ベストに入っています、そのくらいに気に入りました。

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