【2024/4/21付日経コメント】なぜリクルートは海外買収で業績を伸ばせたのか?

〈直言〉「海外で買収、英語より熱量」 出木場久征氏
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO80175780R20C24A4EA1000/

○リクルートがindeed買収で2010年代になぜ業績を拡大できたのか?

元々プラットフォームビジネスを作るのは得意、というよりそのビジネスを形成する仕組みが経営資源だった。
※リング
https://ring.recruit.co.jp
一方で、プラットフォームビジネスはより大きなプラットフォーマーに食われるリスクがある。
検索エンジンという最強のプラットフォーマーであるGoogleに今まで育ててきたプラットフォームビジネスが食われるリスクがあった。
具体的には、スマホが普及することで紙媒体は不要となり、且つ検索エンジンというスマホにおける情報収集行為の最初を抑えている点がリクルートにとって脅威。
こうしたプラットフォーマーに対抗するには、グローバルに特定市場を占有することで、Googleに対抗できるプラットフォームを作るしかない。リクルートにとってコアな事業ドメインは人材事業。
また、プラットフォーム形成のインセンティブが最も強い市場の一つ(雇用者と被雇用者の相互の発見コスト、取引コストが高い)。
そこでindeedを買収し、最も世界で大きな労働市場を有する米国でグローバルなプラットフォームとして育ててきた。
なぜPMIに成功したのか?というと、リクルートがM&A巧者ということではなく、元々カルチャーとしてプラットフォーム形成を是とする企業文化であり、マネジメントスタイルをそんなに変える必要がなかったから。0→1と1→10の違いが分かる組織である強みが発揮されたと言える。
今後について、グローバルスタンダードである米国で育てたデジタルサービスゆえに、Uber等と同様グローバルに展開できたのだろうし、まだプロダクトライフサイクルは成長期といえるだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?