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都城市のメディアリテラシー向上事業について

 こんにちは!宮崎県都城市デジタル統括課です。
 前回の記事では、メディアリテラシーとはなんぞやというところにフォーカスしてきました。今回は、実際に都城市が行っているメディアリテラシー向上事業について詳しくお話ししていきたいと思います。

1. Think都城

 都城市では「深く、多面的に考える」というテーマのもと、「Think都城」というオウンドメディアを立ち上げました。独自の視点で時間をかけて深堀りし、多面的に事象を見つめるスロージャーナリズムの手法を用いて、取材・執筆された記事を配信しています。

 記事の中には「ふるさと納税」「マイナンバーカード」など、全国的にも話題で、都城市にも関係の深い、地域を深掘りするテーマで書かれたものもあります。都城市に住んでいるけど、「実はこうだったんだ」「こんな背景があったんだ」と、記事を読むことで、新たな視点で都城市を見つめ直すきっかけにもなります。

 さらに「メディアリテラシー」の基本的な知識を得られるコンテンツも配信しており、「Think都城」を通じてメディアとの向き合い方についても考えることができます。

「Think都城」


 実際に記事を読んでみると、自分自身がメディアリテラシーを本当に持ち合わせていたのか振り返りつつ、新しい視点で考えるきっかけを与えてくれます。

 例えば、メディアリテラシー初回の記事【メディアリテラシー#01 メディアリテラシーが必要なワケ[前編]-AIフェイク画像と謎の地下室の示唆-】では、学校では教わらないマスメディアの仕事の背景について触れられています。

マスメディアの報道に携わる誰もが、「公正・公平」に記事や番組を作ることを求められ、遵守していることになっている。だが、メディア企業であっても一般企業と同様にアクセス数や視聴率といった「結果」を求められる。(中略)魅力的なコンテンツにするために、あるいは、自説を展開するために”切り取り”がなされる。論を二分にする話題があった場合、どちらか一方の論に寄る(あるいは依る)こともあり得るわけだ。

https://think-miyakonojo.jp/article/12/

 日々膨大な情報に触れている私たちは、こうした背景を踏まえたうえで、メディアの情報と向き合うべきなのかもしれません。そして今皆さんに読んでいただいているこの記事も、筆者の取捨選択のもと、書かれているものであることをご理解いただければと思います。

 メディアの情報が、実は一部切り取られたもので、全体を見てみると解釈が変わってくる可能性を踏まえて、改めて自分の中で情報を解釈し、見つめ直すことの重要性を、記事を読んで感じることができます。

 他にも「Think都城」には、メディアリテラシーをテーマにした記事が多く配信されています。ぜひご覧ください!

2. 年代別の情報モラル教室

 次に、学生・一般の方向けとして、年代別の情報モラル教室や「偽・誤情報啓発講座」を実施しています。

 情報モラル教室は、小学校低・中・高学年、中学生、高校生と対象を分け、それぞれの年代に合った内容でネットやSNSを使う上で気を付けるべきポイントを学べる内容になっています。

年代別情報モラル教室の様子


 また、「偽・誤情報啓発講座」は総務省の「インターネットとの向き合い方~ニセ・誤情報に騙されないために~」という教材を活用して、講座を実施しています。学生から大人まで幅広い年齢を対象とした60分程度の内容で、AIによる「ディープフェイク」などの新しい技術の進歩による弊害や、「フィルターバブル」や「認知バイアス」など、人間が騙されやすい環境に陥る心理状況など、インターネットとの向き合い方について、様々な視点から振り返る内容です。

偽・誤情報啓発講座の様子


 このように、ネットやSNSの使用が幅広い年代に普及することで、メディアリテラシー教育も、それぞれの年代に合わせた内容が必要になってきています。

3. メディアリテラシー×謎解きゲーム

 そして最後は、小学生親子向けの「メディリテラシー×謎解きゲーム」のイベントです。

 近年スマホデビューが若年化し、それに伴い家庭内や学校内でのトラブルも増えています。このイベントでは、親子でメディアリテラシーに関連する謎解き問題を解きつつ、自分の使い方を振り返るとともに、その知識を深める内容となっています。

メディアリテラシー×謎解きイベントの様子


 このイベントは今年度から始まり、全6日程で23組の親子(合計62名)が参加しました。参加した親子からは「親子でスマホやSNSの使い方について振り返る良い時間になった」「メディアリテラシーについて楽しく学べてよかった」などの声を聞くことができました。

 子供たちは大人のスマホやSNSの使い方をよく見ていて、自分たちの使い方に大きく影響を受けています。親子で参加することは、子供にスマホやSNSとの正しい向き合い方を教える一方で、親である私たち大人も、改めて自分の使い方を振り返る機会になるのではないでしょうか。

 都城市では、今後も幅広い世代のメディアリテラシー向上に向けて様々な取組を実施していきます。

 次回は「情報を深掘りすることの面白さ」をテーマにお話ししていきます。
 次の投稿もお楽しみに!


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