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情報を深掘りするって面白い!

 こんにちは!宮崎県都城市デジタル統括課です。
 メディアリテラシー第1部第2部では、メディアリテラシーについてと、当市が行っているメディアリテラシー向上事業についてお話してきました。
 テーマの最後となる第3部では、情報を深掘りすることの面白さについてお話していこうと思います。


 ずばり、先に結論を言うと…


 情報を深掘りすることの面白さとは、その”本質”に辿り着けることではないでしょうか。



 個人的な話になりますが、前職でマネジメント業務に携わっていたとき、よく上司から「本質が見えていない」「その計画の本質は何?」と、毎日のように自分の担当業務に対して”本質”を問われていました。”本質”の本質が何だかもうよく分からない負のスパイラルに陥っていたとき、マネジメント研修で学んだある手法が負のスパイラルを脱却する一助となってくれたのです。

 その手法とは、通称「なぜなぜ分析」。

 なぜなぜ分析とは、その名の通り「なぜ?」を繰り返していく分析方法です。例えば「お客様に間違った商品を配送してしまった」という問題の本質を考えてみたいと思います。

お客様に間違った商品を配送してしまった
⇩なぜ?
配送伝票に記入する商品番号が間違っていたから
⇩なぜ?
商品番号と商品名を照合していなかったから
⇩なぜ?
確認作業マニュアルの手順を見落としていたから
⇩なぜ?
確認作業マニュアルが文章形式で
記載されていたから
⇩なぜ?
現場での業務手順を考慮せず、
確認作業マニュアルを作成していたから

とこのように、ある問題に対して「なぜ」を繰り返していくことで、根本にある原因、つまりは問題の本質を突き詰めていきます。配送伝票を誤って記入してしまった担当者を責めることは、表面的な対策ではありますが、その問題が人を変えて再発してしまうかもしれないため、根本的な解決とはなりません。

 今回の問題では最終的な分析に対して、文章形式になっていたマニュアルを、誰でも確認しやすいようにチェックリスト化したり、現場での作業手順に応じた内容に改変したりと、根本原因を解決するための対策を講じることができます。



 話が少々脱線してしまいましたが、その物事の本質を見極めることで、表面上だけではない、根本的な性質や要素に迫ることができるのです。
これを、今回のテーマである「情報」に置き換えてみると、与えられた1つの情報を表面的に見るだけでは把握しきれない内容が、深掘りをすることで見えてくるというわけです。

 前回の第2部で都城市のメディアリテラシー向上事業の1つとしてご紹介した、「Think都城」の記事の中に、情報を深掘りすることの意味について触れた内容があります。

 【メディアリテラシー#03 「クリティカルシンキング」の本質―誤情報に騙されないための初歩―】では、日本人が他国に比べてメディアを信じやすい傾向にあることを引き合いに、批判的思考を意味する「クリティカルシンキング」の重要性について触れています。ただ、何でもかんでも「批判的に」見ればいいというわけではなく「多面的に」情報を捉え、無条件に受け入れすぎないという理解が大切だと書かれています。

 誤情報に惑わされないために「クリティカルシンキング」の定義のもと、情報を批判的に見ることが大切だ―――だけでは終わらず、クリティカルシンキングの定義まで深掘りして、その”本質”を追求する内容で、記事の中であらゆる引用をもとに「多面的に」情報を吟味することの意味について、まさに実践をもって教えてくれる内容となっています。

 「ファストニュース(=速報性に特化したニュース)」は、時と場合によっては私たちの役に立つこともあるかもしれません。しかし、ファストニュースが出るたびに受け止め、信じ込んでしまうと、それが偽情報だったときに取り返しのつかないことになってしまう可能性もあります。

 また、「アルゴリズム」と呼ばれる機能によって、その人の興味・関心のありそうな情報ばかりをおすすめとして表示させるなど、得られる情報の幅が狭くなる可能性も、私たちは認識しておかなければなりません。



 情報を深掘りすることは、その情報の背景や目的に触れ、あらゆる視点から内容を見極めることができ、狭くなった視野を広げてくれるツールにもなります。つまりあなたのメディアリテラシーを向上させる1つの手法となるのです。そのまま受け止めることなく、立ち止まって、様々な視点で見てみる。メディアリテラシーを身につける、ということは、意外とシンプルに考えていいのかもしれません。

 これからのネット社会を生きていく若い世代はもちろん、ネット社会が当たり前になっている世代、そしてスマホデビューを迎え、ネット社会の入り口に立ったという方まで、老若男女問わず、今の私たちには情報を見極める力が求められています。ネット上に溢れている情報をただ鵜呑みにするのではなく、情報を深掘りしてその”本質”に近づけるよう、努めていきたいですね。

 今回でメディアリテラシーに関するテーマの投稿は終了となります。
 また次回のテーマもお楽しみに!


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