見出し画像

「デジタル化こそ、アナログで」

皆さん、こんにちは! 宮崎県都城市デジタル統括課です。

私は都城市のデジタル統括課で地域おこし協力隊として活動し、今年で2年目になりました。前職の関係で福岡県のある地域から、ここ都城市へ移住してきたのですが、今回は都城市のデジタル施策、特にデジタル活用支援推進事業への取り組みを見て思うことをつらつらと書いていこうと思います。



都城市は令和元年に「都城市デジタル化推進宣言2.0」を掲げ、令和3年から5年間でDXに関する新規事業を100事業立案することを目標に、利便性が高く豊かなまちの構築を進めています。実際に立案された事業の中には「全国初」の取組として様々な自治体に横展開されている事業もあり、まさにデジタル先進自治体。

そんな都城市で私はデジタルデバイド対策担当の地域おこし協力隊として、高齢者の方のデジタル活用支援事業や、学生向けの情報モラル・メディアリテラシー教室などを担当しています。今でこそ、地域おこし協力隊を活用したデジタル活用支援は様々な自治体が取り組んでいるかと思いますが、当時私が協力隊として採用していただいたときは、まだそこまで前例のない珍しいポジションだったかと思います。それほど、都城市が地域に入り込んでデジタル支援を進めていきたいという強い思いがあったからではないかと今は感じています。

都城市に移住をする前は、福岡県で小売業に携わっていたのですが、お客様の中にはご高齢の方もいらっしゃり、時にはスマホアプリになっている自社のポイントカードの使い方を聞かれたりと、今の業務に通ずることをご案内したりもしていました。しかし、それに付随して、他のアプリやスマホ本体の操作について聞かれることもたまにあり、他のお客様の対応があるときは、心苦しくもお断りすることがありました。

なんとなく、都会の方が地方よりもデジタル活用が進んでいる(もちろん個人差があります)というイメージがあったのですが、都会であっても、スマホやアプリなどの使い方を誰にも聞けずに困っている方の相談場所がなかったり、あったとしてもそういった場や機会があることを知らなかったりする方が多くいるのだと思います。



興味・関心を持って「デジタルを使ってみたい」という人はたくさんいるものの、デジタルについて相談できる人がいなければ、必然的にデジタルを使うハードルは上がってしまいます。

「家族に聞けばいいじゃないか」
「オンライン学習や動画を見て学べるじゃないか」

もちろんそれはそうなのですが、相談できる家族が離れて暮らしていたり、そもそもオンライン学習や動画を見るための基礎的なデジタルリテラシーを学べていなかったりすると、そこでつまずいてしまい「やっぱり自分には使いこなせないんだ」と意欲を失ってしまうわけです。



都城市では、総務省のデジタル活用支援推進事業に令和2度の実証事業から毎年参画していて、毎年スマホなどのデジタル機器の使い方教室に参加いただいた、多くの市民の方から好評をいただいています。やはり毎年開催することで認知度が上がり、去年の開催時は広報誌に案内を掲載して2週間程度で、全11日程あった教室がほぼ満席になり、急遽日程を追加するほどの反響がありました。

デジタル活用支援推進事業では学生サポーターが活躍!


どの地域も少子高齢化が顕著に進んでいることは周知の事実ですが、2020年時点の都城市の高齢化率は31.8%となっており、全国平均(2020年)の28.7%よりも高い数値となっています。そこで池田市長が掲げている「デジタル化こそ、アナログで」という考えのもと、中山間地域へ出向いて出張教室や相談会を実施するなど、多くの市民の方へ向けたきめ細やかな支援を行っています。

出張相談会の様子


デジタル活用支援事業におけるスマホなどの使い方教室を行う際には、都城コア学園の学生さんをサポート役として、教室の内容や操作に関して分からないことを質問しながら「孫世代」との交流もできるような体制となっています。またデジタルよろず相談会では、高齢者の方が多く利用される温泉などの施設に出向き、スマートフォンの使い方などに関する個別の悩みを気軽に相談できるような場を設けています。

このような実技的な面だけではない、気軽に聞きやすい、話しやすい環境があるからこそ、自分の中の不明点を解消でき、それがまた次の自信へと繋がっているのではないでしょうか。実際に教室に参加された方の中には「また次も」と継続して参加される方も多く、1回1回の満足度の高さが伺えます。

教える側のデジタルリテラシーももちろんある程度は必要ですが、それ以上に参加される方に寄り添うことのできる思いやりや、コミュニケーション能力が何よりも大事だと、相談会や教室の回を重ねるごとに感じます。
まさに「デジタル化こそ、アナログで」進めていくことの重要性を自分の肌で感じ、都城市だけではなく、その規模に関わらずどの地域も、これからのデジタルデバイドを考える上で、重要なキーワードになってくるのだと思いました。

「デジタル化こそ、アナログで」、より市民の生活が豊かで便利になることを目指し、誰もが等しくデジタル化の恩恵が受けられる地域づくりが広がることを願っています!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?