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ハートヤイ生活日記🇹🇭①

こんにちは、らっくすとーんです。
新年度を迎え、皆様どんな新生活を送られているでしょうか。

わたしは今、タイにいます。

医学部の臨床実習の一環でわたしは、タイ南部の都市・ハートヤイで1ヶ月間実習を行っている最中です。
同期2人と行っているのですが、そのうち1人がこれまでも海外渡航に積極的に行ってる子で、ハートヤイに着くなりルンルンで
「わたしYouTuberになるんだ♪」
と言って、そこからご機嫌で動画を回したり写真を撮ったりしていました。
どうやら、タイに来て感じたことをそのまま忘れ去るのが嫌で、それを記録するためにYouTubeに動画を投稿しようとその子は思い立ったらしく、それを聞いて確かになあと思いました。
わたしもこれまで何回か海外渡航の経験はありましたが、当時の様子を語ろうとしても思い出せないことも多くて難しいものがあります。
その時の気持ちを忘れないために何か記録を残しておくことって実はとても大事だなあって思いました。
とはいえYouTuberになるような度胸は持ち合わせていないので、noteで記録を残していこうかなあと思う次第です。
長くなりそうな予感がしていますが、適宜分けて投稿していきますね〜。

0日目まで

わたしのタイへの旅は厦門でのトランジットからスタートしました。
(どうせ親にせびって飛行機代を出してもらうくせに)少しでもケチって罪悪感を紛らわせることしか考えていなかったわたしは、直行便を取れば良いものの、わざわざ厦門で一泊してからバンコクに飛ぶ便をとってしまいました。
ちなみに関空で自分のカウンターを探すために時刻表を見ていたら関空→バンコクの直行便を発見してしまいました。

虚無

なんでこれをもっと早く見つけられたなかったのか。

直前になってトランジットのことを後輩に話したら後輩がふと一言。
「え、中国って結構入国厳しくありません…?トランジットでもビザ必要って聞きましたけど。まあもう遅いんですけど…」

背筋が凍りました。
自分がこれまでなんとかなるとろくに調べもせずに楽観的に考えていたことを死ぬほど後悔しました。
良くて空港で野宿、最悪タイにたどり着けないまま日本に送り返されるか中国のブタ箱行き、そんな未来が頭をよぎり内心ビクビクしながら関空へ向かいました。
これを読んでるみなさんは、海外渡航の段取り、特に出入国関連は本当に綿密に計画しましょう。
ビザ然り、トランジット然り、あるいは現地で使うSIMや電子マネー然り。
なんとかなったとしても、計画が杜撰だと自分の精神衛生に大きなダメージを残します。
仮にビザ関連をしっかり調べていたとしても、やはり「中国に足を踏み入れる」ということ自体が相当怖かったです。
そんな恐怖や不安をなだめながら、関空に向かい飛行機を待っていました。

0日目:関空→厦門

関空のチェックインカウンターには多様な国籍の人々でごった返してていました。
今思うと、国籍という意味合いだけでなく、空港って色んな人が観察できるんだと思わされるトランジット旅でした。
チェックインまでの時間を空港のマクドで潰していると、隣に6人くらいの三世帯家族が来ました。
その家族、どうやら少しマクドに来るまでにトラブルがあったようで、なにやら拗ねている兄と不機嫌な弟、そんな我が子の世話に明らかに疲弊し切っている母親、孫を宥めようとしている祖父、それを見つめる祖母たちといった感じでした。
祖父がなだめようとしているのを兄は全く意に介さず、兄は母親に向かって
「ねえ僕のどこが好きなの?ねえお母さん?僕はなんで生きてるの?」
みたいなことをずっと喋りかけていました。
結構こっぴどく母親に叱られた後かなあと思いつつも、そらまあお母さんそんなに疲れた感じになるよなあっと正直同情してしまいました。
だってそこらへんのメンヘラよりも遥かに面倒やし。
祖父が甲斐甲斐しく我が孫の機嫌を取り戻そうとするのですが、何かのはずみに弟まで「じいじに指をさされた」と癇癪を起こし、それに兄がさらに火に油を注いで…とそこはまるで小さな地獄絵図でした。
あの家族のご多幸をタイからお祈りしています。

出国前にiPadでダウンロードしたはずの映像講座の動画が全部消えてて、飛行機に乗って最初は激萎えしていましたが、それでも機内で少し放送される映画を見て退屈を紛らわすことができました。
その他にも厦門航空の飛行機の中での出来事も面白かったり新鮮だったりしました。
例えばこれ

これディズニーと習近平に怒られないんですかね。
すっかり国内線の感覚に慣れてしまい、定刻で出発して当然のものと思い込んでいたのですが、わたしの便、なんと最終的に定刻から1時間以上遅れて出発しました。
これは国際便あるあるなのか、それともお国柄なのか…
厦門までのフライトは4時間弱とそこまで長くはなかったですが機内食が出ました。
この機内食がなかなか美味しい上にボリューム満点でした。

左からヤクルト的な飲み物、果物、わらび餅もどき、糖蜜の入ったケーキ
主食のチャーハン。ついてきたザーサイとともに。


そうこうしているうちに飛行機は厦門空港に到着し、この長旅で一番肝を冷やしている要素だった中国での入国審査にたどり着きました。
結論から言うと、「ビザ持ってないの?(圧)」的な感じで保安官から多少詰められはしたし、結構チケットの詳細を訊かれたものの大したお咎めはありませんでした。
しかし、このノービザ滞在、24時間限定な上に、機内で記載する出入国カードの裏には「24時間超えたらどうなるか分かってるよな?」という結構おっかないことが書いてあったので、トランジットを利用する方はくれぐれもお気をつけを。
あと、トランジットの人は厳密には他の入国者と並ぶところが違うらしいと後から上海でトランジットした同期に聞きました。多少詰められたのは間違って入国の列に並んだからかもしれません。でももっと先に教えてくれ。

入国審査であたふたしていると、全くもって意味不明の言語の中に耳馴染みの良い言葉が聞こえてきました。
わたしの2,3人後ろに関西から来たであろう若いカップルが、同様にビザのことで話していたのです。
久方ぶりの海外、しかも降り立った先はかの中華人民共和国。もはや怯えとも取れる緊張感の中にいたわたしは彼らの関西弁を聞くと、同胞がいる安心感で少し楽な気持ちになれました。
その後お互いに入国審査を通り抜け、税関の前で並んでいるとさっきのカップルが「次の便までどうする?トランジットどうやってやるの?」と話しているのがまた聞こえてきました。
先程精神的にかなり救われた上にやはり同じ関西人として少し勇気を出して手を貸そうと思い立ち、無料のトランジットホテルが申し込める旨をお伝えしました。
そうして3人とも税関をくぐり抜け、3人でトランジットの申し込みカウンターを目指す…かと思いきやカップルは既に閉まっている地下一階の謎のラウンジスペースに行ってしまいました。
心配になって後を追っている道中、閉まっているラウンジの前に中国人数名がいたのでカウンターの場所を聞き出そうとしました。
すると「Japanese?」と訊かれ、首を縦に振ると、次に彼らからスマホを差し出され、その画面には
「私たちのトランジットホテルがあるんですが泊まっていきませんか?」

いや絶対これ詐欺やん。
もちろんお断りしました。

カップルは見失ってしまいましたが、その後なんとかトランジットホテルの受付カウンターを見つけ出し、そのホテルまでバスで案内されると、その先であのカップルと再会しました。
2組はホテルでチェックインをしようとするわけですが、横でそのカップルが何やらモジモジしているのです。
厦門航空が提供するトランジットホテルはなんと無料という超破格のサービスなのですが、デポジットとして一時的に50元が徴収されるという隠れ要素があったのです。
このトランジットはおひとり様だとツインルームに通されるのですが、140元支払えばシングルルームに変更できるとのことだったので、わたしはそのサービスのためにかなり余裕を持って関空で換金していました。
一方カップルはどうだったかというと、50元のデポジットのことを知らず、さらに現金支払いのみのところをカードしか持ち合わせてないという大ピンチ状態だったわけです。
ここまで来て「ほな頑張ってね〜さいなら〜」と見捨てるわけにもいかず、自分もオプションサービスのことを考えなければこうなっていたかもしれないですし、幸い多少お金を出せる余裕はあったので、50元お貸ししました。
人のよしみで出した以上、別に返ってこなくてもいいと思って出したのですが、結局全額ちゃんと返ってきた上に返金のやり取りをする中で、明朝に彼らが予約しているホテルから空港へのタクシーに乗らないかと誘われました。
どうやら彼らもわたしと同じく明日の朝早くの便でバンコクに飛ぶ予定でした。
空港からホテルへは無料のバスがありますが、その逆は送迎サービスも特段ないようでどうしようかと悩んでいたのでとても助かりました。
なんだかわらしべ長者みたいだなあと思いつつ、ここぞの時に勇気を出したり利他的な行動を徹底することは大事なんだなと考えました。

無料というからどんなホテルなんだろうと思いきや、そのホテルはもうとても素晴らしいものでした。↓

わたしは次の日の朝早くの便だったので使えませんでしたが、なんと朝食も無料らしいです。
えぐいて。

ちなみに厦門航空内の様子やトランジットの手続きの詳細がめちゃくちゃ丁寧に書かれたnoteがあったので置いておきます。
出国前日にガチ焦りしていた時にとてもお世話になりました。

これだけ書いたのにまだハートヤイに辿り着いてないの草。
とまあこんな感じで始まる前からクライマックスで濃密な旅がここから幕を開けるわけです。
次は厦門出発からです。
次までにはハートヤイに辿り着くといいね(震え声)

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