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推しが結婚した

去る11月6日。
推しが、結婚を発表しました。

「日曜生高城」なんてなんともないタイトルで配信が告知され、わたしはてっきり普通のグダグダ配信かな〜なんて思ってました。他のモノノフの皆さんも恐らくそうだったでしょう。
しかし、最初の画像から画面が切り替わった瞬間、ふと察せられるものがありました。
「あ、これ交際、果ては結婚発表までワンチャンあるぞ」
そしてそのまま流れるように、「推し」高城れにさんは、日本ハムファイターズの宇佐見真吾選手との結婚を発表しました。

当然、これを受けてタイムラインは
「その時、モノノフに激震走る」
まさにこんな感じでした。
ひとしきり衝撃と混乱が過ぎ去った後、モノノフの反応としては大きく分けて

①純粋にれにちゃんの結婚を喜ぶ
②喜ぶべきと分かってはいるけど、でも寂しいなあ…
③現実を受け入れられません…

主にこの3つに大別されます。
ただ、「ファンを裏切りやがった」みたいな攻撃的な反応は、わたしのアカウントからは観測されませんでした。
わたしのリア友(ハロプロファン)も、モノノフの反応について「民度がいい」と称賛していました。モノノフとして実に誇らしい一面だとわたしも思います。

わたしはどうかって?
うーん、強いて言うなら②でしょうか。
喜ぶべきだと頭では理解しているんです。人の幸せは喜んだほうがいいというのは百も承知です。
しかし、どこまでいっても「異性のアイドル」。
堂々と結婚と言われ、堰を切ったようにラブラブ感を見せつけられると、さすがに面食らうものがあります。

しかし、わたしは自分でも驚くほどこの一件に対してドライな気持ちです。
嬉し涙をこぼすでもなく、寂しさに打ちのめされるでもなく。
一晩経てば、「結婚ですかあ…おめでとうございます!」となってしまいました。
このドライさは何故なのか、色々考えました。
しかし、Twitterという140字の非常に大きな制約のかかったツールでわたしの思考を伝えるには、わたしには明らかに力足らずです。
ですので、このnoteという字数無制限のチートツールを使って、
誰に求められるわけでもなく、わたしの思考をひけらかそう、そういう魂胆です。

理由① シンプルに失恋慣れしている

ぶっちゃけ8割方これです。
およそ22年の人生の中で、わたしはほぼ誰にも越せないレベルで失恋を経験している自負があります。
もちろんストレートに「あんたなんか無理」と意思表示をされることだってありましたし、人づてに「彼氏いるらしいよ」なんて聞かされたことも山ほどあります。
あと、大学生になってからというもの、昔好きだった人が、誰かも分からぬ「あちら側」の住民とくっついたという話を聞かされることもあります。
こんなことばかりしてれば、もはや「失恋はデフォ」「恋愛なんか自滅した先まで見据えてなんぼ」みたいなメンタリティになってきます。
今回の件もまた、その延長線上にすぎません。

そもそもフラれる当事者でいた方が辛いに決まってるんですよ。
一対一の関係でNoを突きつけられる方が、これの数倍、否、数十倍心が痛くなります。
誤解を恐れずに言えば、「推しの結婚」は所詮他人事です。
さらに言うならば、あくまで「喜ぶべきこと」であり、悲劇の数々と比較するものですらありません

「ファンを裏切った」と勝手に決めつける外野もいますが、「本当の裏切り」や「本当に人と断絶される悲しみ」なんてものはリアルでいくらでも経験してきました。両者を一緒にしないでほしいです。


理由② Mリーグの影響

ブラウザバックしようとしたモノノフの皆さん。
お願いなんで最後まで話を聞いてください(震え声)。

これは別に、ももクロへの熱意がなくなったという話がしたいのではありません。
いつかも話しましたが、僕の心をも救ってくれたことのあるももクロへの情熱はそう簡単に消えやしないです。

つまりは何が言いたいかというと
かなり特殊ですが「『既婚者を推す』という事象に慣れた」ということなんです。
どういうことか。

Mリーグで戦う32人のプロ雀士のうち、女流は12人。
そしてこの12人の女流プロ雀士、どういう訳か年齢を遥かに凌駕するレベルの美貌を兼ね備える方が多いのです。
そして12人の女流雀士のうち「結婚経験者」は8人です。

1人目:バツイチ(子どもはいるが親権者は元旦那)

二階堂亜樹さん(40歳)

2人目:バツイチ

二階堂瑠美さん(42歳)

(1人目と2人目は実の姉妹です。「二階堂姉妹」というフレーズくらい聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。)

3人目:1児の母

日向藍子さん(34歳)

4人目:新婚ホヤホヤ

魚谷侑未さん(37歳)

5人目:バツイチ

東城りおさん(32歳)

6人目:1児の母

茅森早香さん(40歳)

7人目:Mリーグ開設時は未婚→2年目で結婚・出産

黒沢咲さん(年齢不詳)

8人目:2児の母

瑞原明奈さん(35歳)

他にも、結婚まで至りませんでしたが、一時男性Mリーガーと交際しており、盛大にいじられていた人もいます↓

岡田紗佳さん(28歳)

彼女たちはあくまで麻雀プロなのですが、Mリーガーに対する麻雀打ちの態度は、アイドルへのそれと同等だと思います。
唯一異質な点は「多くの麻雀打ちにとって、彼女が既婚者であるかどうかは要素として取るに足らないことである」ということです。
推しのチームがある人は週2で、推しの闘牌の結果に一喜一憂し、そして単なる鑑賞の域から溢れた情熱の行き先は「グッズ」だの「ファンクラブ」だの、というところになります。
こうしてみると、構図はアイドル業界とそっくりです。
ただ、こちらは既婚者がある意味デフォルトな上に、コンテンツを享受する側もそれを構わないと思っている。
わたしの推しているKONAMI麻雀格闘倶楽部の女性陣に既婚者はいませんが、この空気感の中に片足突っ込んでれば考え方も自然とそんな風になります。
(まぁ伊達ちゃんやまりしゃんが結婚したとて、KONAMIを応援することは変わらないでしょうし。)

上に列挙した8人の中でも、特に瑞原明奈選手はこの美貌にして麻雀もすこぶる強く、ネット麻雀「天鳳」にて大きな成績を残している他、Mリーグでは昨シーズンのMVP(シーズン中のトータルスコアが最も大きい)にも輝いています。
もちろんMリーグ視聴者間の人気も凄まじいものです。

この「既婚者・子持ちだけど、可愛いし麻雀めちゃくちゃ強いから皆そんなことお構いなく推し続ける」という現象。
「麻雀」要素を、例えば「歌」「エンターテインメント」に置き換えたらどうでしょう。
既婚者である。子どもも将来持つ可能性がある。でも可愛いし、歌を聞いてれば元気がもらえる。人に希望を与えてくれる。
ももクロの4人の結婚も、こう解釈できませんか?
そしたら、結婚とか気にせずあまり変わらない気持ちで推し続けられそうじゃありませんか?
もちろん、特殊な状況、オタクの特殊な兼業ゆえのアナロジーです。
「既婚者を推す」ことに慣れが生じているから、こういう考え方になれる面も大きいです。
でも、きっと「結婚」や「出産」を存外素直に受け入れられるのは、他の場面で凹まないだけの理由づけをしっかりしてたからこそなんじゃないかな、と思うんです。


理由③ 『アイドルの向こう側』

まあ、2時間かけたあんな盛大なフリをもらっていれば、結婚なんて想像もしてなかったとはならないでしょう。
4人とも年齢的にはいつ結婚してもおかしくないですし、あの映画で「恋愛」「結婚」について多く語られていたのは、少しでもモノノフ側の心のダメージを軽減させるための、ももクロや周りの大人による「リスクヘッジ」だったとも言えるでしょう。
ただ、今振り返っても、あの映画が単なる衝撃緩和のための舞台装置だったとはつゆほども思いません。
彼女たちも恋愛はすれど、モノノフのことも大切な存在だと思っていて、なんとか両立できないか試行錯誤の最中であるということは、この映画を見てよく伝わってきました。
特にあーりんは、(以前からその傾向はありましたが)他の3人より、「ももクロ対モノノフ」の関係を俯瞰していて、それに基づいて持論を展開する姿が印象的でした。
わたしが、Twitterのbioに、小林剛(麻雀プロ)と並列させて、尊敬の対象に「佐々木彩夏」の名前を書いている所以でもあります。


理由④ 野球に無知

人間、よく分からないものに感慨が湧くも何もないと思います。
わたしはももクロは好きですが、野球にはさほど関心がありません。
なので、近年増えていた「ももクロ×野球選手」の絡みも「ふーん」くらいの気持ちでいました。
れにちゃんの結婚に否定的な意見のひとつとして「あれだけサトテルとの絡みがあったのに…」というものがありました。
わたしにしてみれば、野球選手に感情移入する理由もないので「そんなもん知らんし」としかなりません。
相手側を全く知らないことで、もしかしたら他の人よりもその点においてまっさらな気持ちで「結婚」そのものを見つめることができたのかもしれません。
無知は時として救いにもなりますね。まあこれからもあんまり知ろうという気にはなれないと思いますが。


何度でも唱えたい、「推し『虚構』論」

不誠実と言われるかもしれませんが、わたしはれにちゃんの結婚発表の次の日も、以前と変わらぬ普通の日を過ごせました。
帰省していたので、ふと普段行けないところに行こうと思い立ち、大阪の中心部をぐるっと一周しました。
Twitterにあげた御堂筋のイルミネーションの写真は、その時に撮ったものです。
あと、その日、学校の実習関連で、恐れていたことが起こる可能性を完全に打ち消す吉報が舞い込んだこともあり、1日中かなり朗らかな気持ちで過ごせた気がします。
そして、そんな1日を振り返って気づいたんです。
「自分の中で、ももクロはリアルとの結びつきがさほど強固でない」と。
こう思えるのは、やはりわたしが何度も唱えている「推しとは、すなわち『虚構』である」という信条が根本にあるからでしょう。
「推し」を意識下でも無意識でも、リアルライフに結びつけていると、衝撃に弱くなるんだと思います。

再三の主張になりますが、推しを「実在するか分からない概念」とするか「現実世界に根ざした存在」とするかで考え方は大きく変わると思います。
わたしはももクロの4人が実在する人間かは一生分からない、ひょっとしたら幻想の類ではないかと本気で思っています。
今後ライブに行くことがあって、目の当たりにしてもおそらくこの考えは揺るがないでしょう。
実在するかも分からない人だから、結婚も「そういう物語だ」という解釈に最終的に落ち着きます。

そもそもアイドルってそういうもんです。
語源となっている単語"idol"の意味するところは「偶像」です。
その本質が「虚構」である神々を、可視化するためのものが「偶像」です。
だから、現代で我々が見るアイドルも「虚構」だと認識した上で、その世界観を楽しむ・お金を費やす。
こういうスタンスが自然だし、精神衛生上もいいのかなあと思ってます。


【余談】わたしの信条

ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。
ここで、わたしの考えていることをひけらかすついでに、わたしが信条としていることについて、最後にお付き合いください。

成人してからというもの、わたしには1つモットーがあります。それは
「論理に裏打ちされた情熱と慈しみ」
それゆえ、ここまでの話ではなるべく論理によって話を展開してきたつもりです。少々理屈っぽいと思われた方もいるかもしれません。

「理屈っぽさ」は、得てして人を追い詰めたり困らせたりするものと解釈されます。
しかし、論理とは優しさの支柱としてこそ真価を発揮するとわたしは考えています。
論理だけでは「理屈っぽく」ても、人情とセットになった「論理」は誰かの助けになる非常に強力なツールに化けるとわたしは信じています。
逆もまた然りで、感情や「人情」と呼ばれるものだけが先走って、根拠を失った状態だとどこかで必ず綻びが生じて、人を傷つけかねないと思います。
「優しさ」「ロジカルな思考」、この両方を兼ね備えることが私にとっての理想です。



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