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貸金業法についてのいろいろ

貸金業に関係のある法律は、実に多岐に亘ります。例えば、利息の制限等について定められた利息制限法や出資法、お金の貸し借りという契約行為に関わる民法や商法などです。利息制限法ではその名の通り利息に関する制限があり、出資法では貸金業に関する範囲という意味では、同様に利息についての制限があるといった具合です。

ちなみに、貸金業務取扱主任者の試験範囲には、前述したものの他にも、例えば民事法の会社法、保険法、手形法・小切手法、電子記録債権法だとか、倒産法の破産法、民事再生法、会社再生法など、多くの法律が含まれます。なお、試験には法律だけではなく、規制・規則・ガイドラインなどいった決め事・ルールも含まれます。範囲で見るとかなり幅広いですね。

とはいえ、それらの全てが均一の出題範囲や頻度で試験に現れるということではなく、主要なものという意味では相当絞られます。試験自体も全50問ですので、試験対策的な意味合いでは、深く知っておくべき領域というのはかなり限定されます。(それでも、私みたいな別業界で未経験者にとっては理解はおろか、まず覚えるところからして相当大変でした。私の場合、そういった法律の具体的な適用イメージが利用シーンが必ずしも思い浮かぶとは限らなかったからです)

ところで、先に例として挙げたような様々な法律ですが、何も貸金業に限って適用されるものではありません。具体的な例を挙げるまでもなく、世の中全般の色んなところでお目にかかる機会があるわけですが、そんな中で、唯一対象を貸金業に限定した法律があります。それが貸金業法です。業種ごとに守らなければならない事項を定めたいわゆる業法の一つです。

貸金業法は貸金業という業務全体と対象とする業法だけあって、その内容は実に多彩です。まず、貸金業とは何を指すのかという定義から、貸金業を開業する際のことだとか、貸金業の世界観を網羅的に把握するされています。ちょっと具体的なこととしては、俗にいう取り立てをすることが出来る時間帯に関する規制などもあったりします。もっとも法律なのであまりにも細かく具体的な事までは定められていませんが。

そのまんまですが、貸金業法は貸金業だけを対象としています。注意する点として、貸金業と同じようにお金を貸したりする銀行は、銀行業法という法律の対象範囲となります。更に、銀行と共通した機能を持つ信用金庫はまた別の信用金庫法という法律の対象になるなど、この辺りはそれだけでいくらでも書けてしまいそうなのでこれ位にしておきます。

さて、貸金業法ですが、今現在ではその名が正式名称となっています。しかし、昭和58年に初めて制定・施行された際は、正式名称は「貸金業の規制等に関する法律」といいました。その頃、いわゆるサラ金や商工ローン等が大きな社会問題になったという背景を受けて誕生した法律なのですが、私自身はそのころまだ生まれたかどうかくらいの時期にあたるため、実際にどういう雰囲気だったかまでは間接的に見聞きするレベルでしかわかりません。

しかし、当時を知る手がかりとして、たとえば、YouTubeなんかでその時代の貸金業関連のCMを見たりします。すると、今のようなコンプライアンスがしっかりした時代のそれとは違って、良く言えば、何というか活気や熱量のようなものを感じます。この辺りは、今よりも色々なものが右肩上がりだったという当時の社会背景もあってのことかと思います。

次回に続きます。


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