夜這いの果て

夕「……」
蘭「何やってんの?」
夕「夜這い」
蘭「・・・」
寝てる私の上に覆い被さり見つめている男。
蘭「ちょちょちょ…」
布団を剥ぎ取り服を脱がそうとする男。
夕「何?」
蘭「何?じゃないんだけど?出てけよ」
夕「可愛い義弟に対して随分な言い草」
蘭「2秒までに退かないと旦那呼ぶぞ?」
夕「呼んでもいいけど退かねぇぞ?」
蘭「どう言う神経してんだよ」
夕「…」
蘭「おいおいおいおい!」
夕「…何?」
明らかに不機嫌な声、怒りたいのはこっちだ。
蘭「やめて脱がすな触るな」
夕「…」
蘭「何でこんなことすんだよアホ義弟」
夕「……」
蘭「言っとくがストレスの捌け口とか言ったら本気で殺すからな?」
夕「……」
蘭「どしたよ?」
義弟の顔が少し悲しげな顔をした。
夕「俺だって…」
蘭「ん?…」
夕「俺だってアンタがあんな奴と結婚しなかったらこんなことしなかったさ」
蘭「…」
夕「あんな奴がアンタを幸せにできるとは到底思えない、そもそもババアもクソジジイも乗り気じゃなかったろ?」
蘭「…」
夕「何であんな奴と結婚したよ」
蘭「早く抜け出したかったから」
夕「…」
蘭「ゆーも知ってんだろ?あいつらに何されたか」
夕「…」
蘭「あんな奴らといるより旦那といたほうがマシ…」
夕「…」
蘭「それに旦那は子供を望んでない、都合がいいのよ」
夕「…」
蘭「わかった?わかったならどけて?そろそろ蹴るよ?」
夕「…」
義弟は何も言わず私の前から退ける。
蘭「ふぅ…てかどっから入ってきた?」
夕「んっ」
手に持ってるのは針金とヘアピンとなんかわからん器具
蘭「捕まるぞ?やめさない」
夕「おーう」
蘭「…どうすんの?帰れる?」
夕「寝る…」
蘭「おいおい…」
布団に潜り込み、私に抱きつく義弟。
夕「おやすみーねー」
蘭「………おやすみ」

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