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ウィリアム・モリス『ユートピアだより』

ウィリアム・モリスが大好きです。

代表作の一つ『ユートピアだより』の舞台は、22世紀のイギリスです。タイムスリップした主人公が見たものは、自然豊かで、美しい建造物に溢れ、幸せで健康な人々が生活している理想郷のような世界でした。一言ではなかなか言い表せない世界ですが、その世界には、例えば、機能だけの無味乾燥なビルみたいな建物がまったくありません。

途中で、痛烈な現代社会批判(ウィリアム・モリスが生きた19世紀末の社会への批判、今の21世紀の社会もその延長上にあります)が語られ、どのようにして世界全体が、ユートピアへと向かったかということも未来から語られます。

ナルニア国物語のCSルイスや指輪物語のトールキンも、モリスのファンだったそうですが、それも頷けます。

コロナウイルスが終息した後には、世界は少しずつ、このような22世紀に向うのではないかと(期待をこめて)ちょっと思いました。なぜ、そうなるかというと、多くの人々が社会の構造やシステムに気づいてしまって、コントロールされない存在になり、自然に対する見方を大転換させるからなのでした。

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