大林組の木造建築

 大林組が木造10階建てのビルで、優秀技術賞?(ニュースがすぐ消えたので正式名称が分からない)とかを受賞したようですね。
 知人もいるし、研究室からも何人か行っているので、まずは受賞おめでとう。
 それで・・・やっぱり心配。
 大林組は、別の建築でも謳っていますが「森林資源の循環による低炭素社会、木の温もりを感じる健康的な空間」を目指しているようです。それは良いと思います。
 しかし、賞をとった10階建ての木造ビルを見ると、やっぱり違うのではないか? と思います。
 日本は残念ながら「災害大国」です。
 地震です、怖いのは。 勿論木造10階でも震度7や8の揺れには耐えられるのでしょう。しかし、壁に張ってあるガラスは、10センチや20センチの動きに対して、アソビはとってあるのでしょうね? サッシは揺れてもニゲはとってるのでしょうね? 下にバラバラと落ちたら危ない。
 そしてもっと心配なのは、都市が火の海になったとき、2,3時間、炎に包まれても、耐火性能はコンクリートや、耐火被覆の何倍も性能がとってあるのでしょうね? 火事は、消防車が何台も来て水をかけても2時間は消えません。ワイドショーで生中継を見ました。
 木造に夢中なのは隈さんだけかと思っていました。
 あの方は「先輩たちがやっていることはやりたくない。たとえば安藤さんはコンクリート打ち放しをやっているから、僕はもうコンクリートはやりたくない。磯崎さんとか伊東さんとかがやっていることも、もちろんかっこいいし、良い建築だと思うけど、自分はちがうなと思っていた。そうすると、現代建築で木をやった人がいないなと思ったんです(略)」(「日経アーキテクチュア:世界の木造デザイン」より)
 大林組は絶対にこいう姿勢はとらないでください。この轍は踏まないでください。(ある意味、東大独特ね!)
 「災害の国の建築のあり方」に真剣に取り組んで下さい。
 
 

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