HOUSING 4月号ー100年後まで住みたい家 だって

拙宅・チキンハウスを取材したいとメールをもらったので、「もう古くなったし、取材はお断りしています」と断わったら、「そういう古くなっても住み続けている家の特集だから、是非」とわけの分からない返事が返ってきて、お受けすることになりました。
悪いけど、「一般誌」は仕事を獲るためだけで・・・あまり歓迎しない。
その雑誌が出来て送られてきました。「HOUSING」(by suumo)という雑誌。
 どうもこの号のメインテーマが(「時間の経過」が楽しみに変わる)―「100年後まで住みたい家」で、たとえば「住み続けるほど、気楽になる家」とか「住み続けるほど、愛しさが増す家」とか。で チキンハウスは「住み続けざるを得ない 価値がある家」だって・・・参ったね。
それともう一つ参ったのは、そこに出ている7~8軒のうち半分は積水ハウスとか住友林業とかで、建築家は3、4軒だけ。でも、ビックリ! よく見ないと区別がつかない。
 昔、藤森照信さんがチキンハウスを見に来られて「宮脇や黒沢や吉田たちに近づくなと、野武士たちに言ったのは石山修武だった」と。
これは恐らく「大衆好みのハイセンス」を標榜するバッチイ建築家たちだから、ということだと思いますが・・・
 ちょうど偶然ですが、私20頁ですが小さな「建築の雑誌」を作りまして、そこに「石山修武から治部坂キャビンをもらった男の話」という記事があって、「治部坂キャビン」とは「幻庵」の原型みたいな石山さんの初期の作品ですが、それを観るに、土木作業員の地下足袋みたい。石山さんたちを「野武士」というらしいのですが、彼らのバッチイ草鞋みたいな家。
それに対して、ここに出ている家々は「ハイヒール派」
 私は両方残る文化だと思っていましたが、地下足袋派(草鞋の野武士)は今どういう建築家の方々ですか? ああ、隈さんかあ・・・いや彼は違いますね、アルミに木目をプリントしているようじゃあ。あれはスニーカー族だ。
 野武士は喰うものが無くなって飢え死にしたか? 
 ちなみにこのHOUSINGの巻頭のコメントを書いているのは中村拓志、谷尻誠の両氏。フムフム・・・
HOUSINGは価格を見たら、510円だって。新建築だったらこれだけの本3,000円はするでしょう。ちなみに「建築の雑誌」ご希望の方はどうぞ。

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