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シンギングボール教育保育園で一日過ごした衝撃ゴーン。 (2)

現在元気に職探し中です。先日書きましたシンギングボール教育保育園の面接を経て、実際に保育園を見てきました。

ベルリンは雪が積もっています。どうしてでしょう。バスを乗り間違えました。雪の中を一駅戻り、トラム(路面電車)の駅まで重いブーツを持ち上げ持ち上げ、ぜいぜい言いながら走ります。待ち合わせの時間2分後に到着はセーフです。ベルリンですからとやかく言われません。はい。

園長先生はきれいにきちんとされたチャーミングな印象の女性の方で、まず園内を案内してくださいました。建物は窓も大きく良い雰囲気です。そして赤ちゃんクラスと年中長さんクラス、それぞれの部屋にシンギングボールがずらりと並んでおりました。これこれ、これだよね! ぶら下がっている、大きなシンバルみたいな楽器もありました。

私はまず赤ちゃんクラスにお邪魔することに。以前いた保育園とは違い、タブレットで園児の出欠を取っています。おお!モダンだ!

横の棚には小さめのシンギングボールが六つほど並んでいて、部屋の真ん中には伏せられた大きいなお椀が置いてあります。先生がそれをひっくり返し、朝の会 „Morgenkreis(モルゲンクライス)“の始まり!よちよち歩きの子供が大きなバチを持ち、体全体を使って鳴らします。

ゴーーーーン

なんて渋いなんだ。。
その響きがなり終わらない中、先生が朝の会の歌を歌い出します。「おはよう〜、おはよう〜」その陽気なメロディーとシンギングボールの音色が、全く噛み合っていない!

なんとも不思議な雰囲気の中、赤ちゃんたちの大半は座っているものの、もちろんウロウロし出す子もいます。そしておもむろにシンギングボール、もとい、でっかいお椀の中に入ろうとしているじゃありませんか!
先生はそれを全く止める様子もなく、赤ちゃんはお椀の中にすっぽりおさまりました。

むむ、子供たちはシンギングボールを自由に触れていいってことね!
「楽器だから丁寧に扱いましょう」なんていうかと思いましたが、そんな心配ノンノンノンてな訳です。

朝の会は和やかに終わり、先生は「みんな、今日は雪が降っているね。みんなお外に行きたいですか?」と聞きました。子供達は小さいので会話できる子はまだ少ないのですが、この聞く行為を大事にしているのです。子供の意思を尊重って事です。先生は大きめの子、数人に直接聞きました。すると「Ja(はい)」という返事が返ってきたので、後からくる先生が来たらお外に行くということに。

後からやってきた先生は明るい陽キャラ先生でした。サニー先生としておきましょう。先ほど朝の会を仕切っていた先生はどちらかというと静かな印象だったので、ムーンライト先生、と名付けちゃいます。

サニー先生は、雪道の中、自分の子供を学校に送り届け急いできたというようなことを言い、降り積もった雪にへきえきした様子。他の先生が「今日はみんなで外に行く予定」と伝えると、

「あー、私はパス。もう十分雪は堪能したわ。いやみんなは行ってもらっていいんだけど」

場の空気が変わりました。ムーンライト先生は口を結んでいる。

よくあるパターンだなあ。

サニー先生は明るく「みんなは朝の会でどんな歌を歌うったったの?」と話しかけています。その間ムーンライト先生は用事があると言い上の階に行きました。サニー先生は立ち上がり、テンション高く

「みんな!今日は雪が降ってるね!雪を触ってみたい?」

と子供達に呼びかけました。子供たちは「はーい!」とここではいい反応。
すると先生は迷いもなく棚からシンギングボールを一つ手に取り、部屋の窓を大きく開けました。冷たい空気が部屋に飛び込んできます。先生は窓枠にお尻を乗せ、大きく足を上げてヨイショと外に出ました。

まさか、、

私の中で、楽器というのは楽器以外の目的で絶対に使うべきではないという先入観が今、目の前で崩れ去りました。

なんとサニー先生は手に持ったシンギングボールに雪をワシワシ掴んで入れていくではないですか!

先生!そ、それは神聖なものではないんでしょうか?

サニー先生は大きな笑顔で、またヨイショと窓から部屋に入ってきて、部屋の真ん中にある大きなシンギングボールの中に、その雪が入ったシンギングボールを置きました。

「みんな!雪だよ!」

子供たちはワラワラと雪に群がります。みんな大喜び。興味津々で雪を手に取り、口に入れております。五感で感じるってやつです。

その後で大きい子たちのクラスに行ったのですが、みんな庭に出ており、どのようにシンギングボールが使われるのかは見ることはできませんでした。

まあ、私が思った以上にシンギングボールが保育園で活用されているということは少なからず分かりました。

ははは。



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