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映画『ロボコップ』を語る

 映画『ロボコップ』は、日本の『ロボット刑事K』や『宇宙刑事〇〇』(具体的作品名は記憶がありません。)に影響を受けて作られたという話をよく耳にします。もし、そうだったら嬉しい限りです。この分野においては、日本の作品はアニメ、実写を問わず質量ともに世界一だと思います。

 ロボコップは、実質的にはロボットというよりサイボーグに近いように思います。彼は、プログラムされた命令に従いながらも、人間だった頃の自分への郷愁を押さえることができません。ここにロボコップの葛藤があります。ロボットになりきれないところが、マーフィー(ロボコップになる前の警官の名前)の悩ましいところでっす。

 物語の舞台のデトロイトの統治は酷く、世紀末的です。市警は、汚職警官こそいないようですが、一企業であるオムニ社の傘下に入っているためオムニ社の従業員はあたかも法に拘束されないかのように振る舞います。しかも、警察は(ロボコップも)オムニ社幹部を逮捕できません。合衆国憲法にも「法の前の平等」に関する条項があると思うのですが、そのあたりは「デトロイトは、ほぼ無法地帯」という設定で曖昧にしています。

 ロボコップが起動(2や3では再起動)するとき、電子頭脳にプログラムがロードされる風な映像が流れますが、それらはMS-DOSのAutoexec.batだったり、BASICのコードだったりC言語のソースコードが流れました(順番は映画の順番とは異なるかもしれません。)。ロボコップの電子頭脳は時代とともに、使用される言語が変わっていくようです。

 ロボコップは、その右足の太股内部に拳銃を格納しており、被疑者が武装していて銃撃戦になるときは躊躇なくその拳銃を使用します。
 この拳銃は、「三点バースト」と呼ばれる連射機構を持っています。三円バーストとは、一度引きがねを引くと三発の弾丸が発射されるというもので、映画公開当時は、テロリスト制圧に超有効と言われていました。被弾した場合、脳幹に命中したり脳幹が傷つかない限り即死はまずありません。死因としては失血によるものが多いそうです。
 だから、警官がテロリストに一発命中させても、反撃されることがあり得ます。それでは、味方や人質それに無関係な第三者に被害がでる可能性があります。三点バーストの機能を使えば、テロリストにほぼ同時に三発命中させることが可能ですから、テロリストの身体機能を失わせ、反撃の機会を奪い、被害の拡大を防ぐことができます。
 ところが現在、三点バースト機能のある拳銃の話を聞きません。機構が複雑になるので高価になるため、拳銃に三点バースト機能を付けないことが多いそうです。まぁ、護身用の拳銃などには三点バースト機能など不要なのでしょう。
 では、対テロリスト用にどういう銃器があるかというと、アサルトライフル(アメリカのSWATが使用しているM16などがそうです。)なんだそうです。アサルトライフルにこの三点バースト機能が付いているそうです(つまり、単発、三点バースト、フルオートの三つの撃ち方が選べるわけです。)。ただ、その目的はテロリスト制圧というより、弾の無駄撃ちを防ぐのが主だそうです。
 現代の法執行機関では、テロリストには拳銃ではなくアサルトライフルで対抗することになっているようです。ニュースで、フランスの対テロリスト部隊の隊員を見ると、完全に歩兵同士の銃撃戦を想定している装備ですね。おそらく、アメリカもイギリスもドイツも他の国々も同様なのでしょう。
 とにかく、ロボコップは三点バースト機能のある拳銃を使用しています。

 そうそう、三点バーストといえば、映画『ガメラ 大怪獣空中決戦』で、ギャオスとの空中戦でガメラは一度にプラズマ火球を三つ発射していました。これも、三点バーストですね。

以上

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