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『100分de名著』と『笑わない数学』

 なにかと評判が芳しくないNHKですが、私は『100分de名著』と『笑わない数学』を習慣的に視聴しています。

 

1  『100分de名著』

 私も若い頃は、既存の権威に負けまいとする気持ちが強く、名著と呼ばれているというだけの理由で「読めば自分が成長できる」であろう本も敬遠してきました。それだけでなく、忌避するような気持ちにもなっていました。
 いわば尖っていたわけです。
 今でも丸くなったわけではありませんが、「尖っているだけでは何も残らない。」ということを感じるようになり、素直に名著とか古典と呼ばれる書籍を手に取るようになりました。
 そういう私が、「今まで回避してきた未読の名著の情報を収集する媒体」として重視しているのが『100分de名著』です。
 YOUTUBEにも名著を推薦したり、概要を紹介してくれる動画があるので、それも参考にしていますが、『100分de名著』の場合、その名著を紹介される側代表(視聴者代表みたいな立ち位置)という役割として伊集院光さんがおられるのでどうしても引き付けられます。
 伊集院さんは、たしかテレビ東京の『あちこちオードリー』で、ご自分が知識を吸収するための番組として、この『100分de名著』を挙げておられました。
 伊集院さんは『あちこちオードリー』の芸能界を生きやすくする参考書を作るという回で「まるっきりの嘘はやめておけ」と教訓を述べておられたので、誇張や拡大があるとしても『100分de名著』での発言に嘘はないだろうと私は信用しています。

 実際『100分de名著』で紹介された本や、その紹介する方が書かれた書籍を読んでみると、尖っていた自分はずいぶん人生を無駄に消費したと悔やまれます。もっと素直に物事をみるようにすればよかった。


  

2 『笑わない数学』

 はじめ、この番組にあまり期待していませんでした。
 番組進行のパンサー尾形さんの熱演には好感が持てましたが、数学を、しかも超難解と覆われる分野の数学をバラエティー番組を観るような軽い気分で観ることなど「無理無理」と思いました。
 でも、何回か番組を見ているうちに、「数学をやる切っ掛けになりうる。」と思えるようになってきました。
 最近の例でいうと、虚数の回がそうで、私も「二乗して負の数になるなんて、そんなバカな。」というスタンスで虚数を見ていました。「数学者のマニアックな一面が作り出した趣味的な数」と思ったのです。
 たしかに、電気工学などでは虚数(というか複素数)を使うと聞いたことがありますが、それほど重く受け止めませんでした。
 しかし、『笑わない数学』を見て、次数の高い方程式を解く過程で虚数の概念を受け入れる必要性があったのだと理解することで、虚数の存在が腑に落ちました。
 冷静になってみると分数も負の数も零も、計算の過程でその存在を認めざるを得なくなった数なのだと考えると、そこに虚数を加えることに違和感を感じなくなります。
 事務職で、数学から離れて久しいのに、こんなに数学を身近に感じたなんて自分でも驚きでした。

 いろいろ批判が絶えないNHKですが、『100分de名著』と『笑わない数学』みたいな番組がもっと増えるといいなと思います。(ドラマやスペシャル番組やニュース解説などはあんまり感心しないことがありますが。)

 ちなみに、私はNHKの受信料をまだ支払っています。


#最近の学び #100分de名著 #笑わない数学


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