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"I have a pen!" (1532文字)


 漫画『こちら葛飾区亀有交番前派出所』の初期のころの回で、主人公の両津勘吉(りょうつ かんきち)が外国人の被疑者に拳銃を向けて「I have a pen!」(漫画では「アイ ハブ アッ ペーーーーン!」とカタカナ太字で表記されていました。)と叫んでいるコマを見て、それが面白くて仕方ありませんでした。
 本来なら、「手を挙げろ!」と言うべきところでしょうが、「英語を使わなくてはいけないのだが、知っている英語はこれしかない。」というわけで、I have a pen! となったのでしょう。
 この漫画を電車の中で読んでいたので、笑い出したいのを堪えた私の顔はさぞかし面白かったことでしょう。

 ところで、このようにギャグにも使われる「I have a pen.」という英文ですが、英文法的には第三文型になります。
 第一文型は、SV
 第二文型は、SVC
 第三文型は、SVO
 第四文型は、SVOO
 第五文型は、SVOC
ですが、この第三文型です。
 IはSで、主語です。
 haveはVで動詞です。
 a penはOで目的語です。

 つまり、I have a pen. はC(補語)以外の英文の構成要素を持っていて、基礎的な英文法の要素を持つ象徴的な英文なのです。
 「こんな英文を覚えても実際の英会話で使わない。」という批判的な御意見もあるでしょうが、英文法を身につけていく過程において重宝な英文ですし、迷ったときに思い出せるいい英文だと思います。
 このように言うと「日本人が英会話を苦手とするのは、そういう英文法尊重主義というか受験英語に特化した学校教育にあるのだ。」と反論されそうです。

 私にとっては、英文を正確に読み、自分の考えを相手にちゃんと伝わるように正しい英文を書くことが最優先の課題なので、英会話にさほど重きを置きいていない現在の学校教育に大きな失望感はありません。
 ただ、私はヒアリングに弱点があるのでそこは鍛えたいと思ってはいます。このヒアリングも、共通試験対策というのではなくて、アメリカ大統領の一般教書演説を通訳を通さず聞き取るとか、イギリス王室や首相の演説を通訳なしで聞きたいという興味からそう感じているだけです。

 また、私はイギリスで過去に英訳聖書が作られていたことがあり(これは宗教革命の前の時代だといいます。)この時代の歴史書を原書で読んでみたいという興味もあります。当時のキリスト教関係者が鬼のようにその英訳聖書を焚書した描写を時代背景とともに読みたいと思っているのです。
 シャーロック・ホームズの原書は読んだことがありますが、やはり小説は敷居が高いというかイギリスの文化の理解が浅いとその小説世界に「漬かる」というわけには行きにくいようです。

 私は英会話を軽視するつもりはありません。英語そのものが会話を基本にして成立している言語なので、英会話は英米等英語文化圏を知る上で重要な技術だと思いますが、私は会話以上に読み書きで英語文化に触れたいと思っています。
 まだ読めていませんが、「名車再生クラシックディーラーズ」のイギリスで出版された本(もちろん全部英語です。アマゾンがなければ簡単には入手できなかったでしょう。)を2冊買ったのも、そのためです。

 英語の長文などで訳せずに困ったとき、SVOC(今の受験参考書にはMとして修飾語も追加されていますね。)に分類して、それらの関係を理解し、そして日本語に翻訳して理解してなければなりません。
 そのためには、各単語を名詞や動詞や形容詞などに品詞分け(分類では)する必要があります。
 I have a pen. は、その作業をするための技術を身につける第一歩として意味のある英文だと思います。
 そういうことでは、I am a boy. も第二文型の象徴的な英文として意味がありますよね。

#こちら葛飾区亀有公園前派出所 #英文法

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