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『上杉鷹山の経営学』 (485文字)

 『上杉鷹山の経営学 危機を乗り切るリーダーの条件』(童門冬ニ趙 PHP文庫)は、上杉鷹山(うえすぎようざん)が財政危機に瀕していた米沢藩を甦らせた物語です。
 上杉鷹山は経営者やサラリーマンに人気なのは、彼のやり方に企業改革へのヒントがあると考えられているからでしょう。

 鷹山の業績はこの本を読んでもらうとして、私はこの本の解説に衝撃を受けました。解説者は渡邉謙輔氏で、解説には氏が東亞ペイントの社長になったときのことが書かれていました。
 (東亞ペイントは)「一部上場会社であったが、実体は中小企業と変わりなかった。かつては同格だった会社がめざましい成長をしているのに、東亞ペイントは大した成長もせずにいたのである。にもかかわらず、大きくなった同業他社に対して『会社の格では劣っていない』という変なプライドが社内に蔓延していた。」(219ページ)
 こんな企業や組織は、この世に少なくないと思います。
 元プロ野球監督の故野村克也さんの「負けに不思議の負けなし。」の典型例です。
 私はこの「格」とか「伝統」とかいう言葉は、競争する人や組織には邪魔だと思っています。

#上杉鷹山

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