167 最後は子どもを「独立した他人」として見る

 親子関係の最終段階とは、親のほうから親子関係を切って一人になることです。何も悩んではいけません。「自分が思った通りに子育てできなかった」などと悩むと、死後、低いレベルのところに堕ちてしまいます。認知症の方が子どもに対して「あなたは誰ですか?」というような気持ちに、正気のままなれることが理想です。大人になった自分の子を、独立した他人として見ることができれば幸いです。とはいえ、人間には情がありますから、意図的に「関係ない」という気持ちをつくって、子に対する執着を捨てなくてはいけないのです。真理を知らない人は「暗い話だなあ」と思うかもしれませんが、事実は違います。子どもに限らず、執着が減れば減るほど、心は明るくなるのです。自由に、活発になるのです。執着を減らすためには、強い意志(cetanā)が必要です。
『一瞬で心を磨くブッダの教え』第3章 社会で成功するために《親子関係》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版【ブッダの智慧に学んで子育てのプロになる親は子を育て、子は親を育てる」(2017年) p164】

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