162 子どもに執着しない

 親子関係は永遠のものではありません。ほんの一時的な関係で、会社に入って、そこの社員になったような感じです。社員と会社は退職するまでの関係なのと同じく、親子も子どもが一人前になるまでの関係にすぎません。人間は感情があるために、一時的な親子関係がいつまでも続くかのように勘違いしてしまいがちです。この勘違いから、すべての問題が起こるのです。そういうわけで、子どもが自立したり結婚したりしたなら、「よかったなあ」「親である私たちも年をとったなあ」と思えばいい。それだけのことです。「もう子どもたちは別世界の人間になりました」と。そして最後は子どもに対しても「あなたも他人でしょう?」という気持ちになって、無執着の精神をつくらなくてはいけません。
『一瞬で心を磨くブッダの教え』第3章 社会で成功するために《親子関係》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版【ブッダの智慧に学んで子育てのプロになる親は子を育て、子は親を育てる」(2017年) p146】

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