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164 子を自分の思い通りにするのは法律違反

 母親が執着して子供を育てるということは、恐ろしい罪を犯すことにほかなりません。いわゆる個人の人権を侵害していることなんです。いわゆる個人の人権を侵害しています。

 人間はみんな独立しているんだから。子供は一瞬たりともけっして、自分を母親の所有物と思うことはないんです。なのに母親が勝手にそう思ってあれこれ言うと、子供はすごく人権侵害を感じるんです。

 そこまで知識がないから分かっていないだけで、人権侵害、つまり生命の尊厳を侵害されているということはものすごくどんな生命も敏感に感じるんです。犬や猫も、人間が怒ったってへっちゃらですが、かれらの尊厳を侵害されるとすごく嫌になって、落ち込むんです。もう相手にしてくれなくなるんです。だから「私の息子、私の娘」と思って執着しちゃうと、その娘や息子の命はどうなるのか、ということです。

 初めから執着は成り立たないのです。他人はけっして自分のものにはならないし、そう思うことは生命の法律違反です。他人の家を私の家だと思うなんて、話にならないんだから。勘違いして入り込んだら、家宅侵入罪で逮捕されますからね。

『一分で読むブッダの教え』第3章 人生の悩みは、仏教で解決する《子育てと親孝行》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版【ブッダの歩き方 立松和平氏との共著 (2006年) p99】

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