192 与えられたもの以外は取らない生き方

 与えられたもの以外は取ってはいけない、盗んではいけないというのは、在家の仏教徒も同じです。「与えられたもの」というのは、もらったものという意味ではなく、自分がその分だけ仕事をして合法的に得たものという意味です。仕事で社会にいくらか貢献した分を我々は世界から頂く。それは自分のものですから、安心して楽しく使えばいいのです。「盗んではならない」という戒めの意味は、一人ひとりが使用する必需品は、自分の努力で、社会に何かを貢献したことに対する報酬であるべきだということです。「偸む勿れ」と簡単に言えるところを「与えられてないものを取ってはいけない」としているのは、回りくどくするためではなく、モラルの意義を表しているのです。
『一瞬で心を磨くブッダの教え』第4章 幸福に生きるための秘訣《正しい生き方》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版【沙門果経 仏道を歩む人は瞬時に幸福になる (2009年) p143】


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