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121 弱い心を強くする

 人は弱いものだと言いますが、弱いのは実は心です。誰でもすごくおびえ、震えている、ものすごく弱い心を持っているのです。ですから、何とかして心を強くしなくてはなりません。卒業論文を書き終えて、最後の面接試験を控えた若者から、「面接が心配で仕方がありません。どうしましょう」と相談されたことがあります。私は、「面接するのは、あなたの先生たちでしょう。四年か五年も付き合った、よく知っている相手です。だったら、何が怖いのですか。お前、本当にアホじゃないかと面接で言われても、自分の先生なのだから、ニコッと笑えば、それで終わりです」と言いました。彼はそのアドバイスに納得して、見事に卒業して、今は仕事に就いています。この場合も、心に微妙な弱みがあったのです。「赤の他人に言われるのではないのだから、何を言われたって大丈夫だよ」と言われたことで、不安がなくなったのです。心を強くすることができたのです。このように、特に大事な局面では智慧のある発想で、心を強くして臨みたいものです。
『一分で読むブッダの教え』第2章 心の正体を知れば、人は成長することができる 《心を育てる》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版【ブッダはなぜ心を重視するのか 心は「幸福」「不幸」のクリエイター (お釈さまが教えたこと 7, 2009年) p232】

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