昼間の夜逃げ

母の2回目の離婚に関する計画などについて。 

母の再婚相手もクセが強い相手だったので、離婚話をすると家を追い出され、路頭に迷うのではないか、と母は危惧した。

だから母は、離婚話をする前にアパートを借りておいて、再婚相手が仕事に行っている間に引越して、それから離婚しようと考えた。

頭の悪い母は、当時の家のすぐ近くでアパートを探していた。円満離婚では決してないのに、なぜそんな近場に引越そうとしたのか私は理解できなかった。

結局、私が「バッカじゃないの〜!」と言って、生活圏の違うところでアパートを借りることになった。娘にバカにされるなんてありえない母であったが、その時だけは大人しく話を聞いてくれた。

決行日、私はいつも通りに学校に行って、再婚相手も会社に行ったところで引越屋さんが来て、先に借りてあるアパートに急いで荷物を運んだ。引越屋さんには母が事情を話し、非常に緊張して荷物を運んでくれたとのこと。あの時は大変申し訳ありませんでした。

私は何食わぬ顔で登校し、引越先のアパートに帰宅した。

それ以来、母は再婚相手と顔を合わせずに離婚できたのであったが、少しだけ時間がかかった。

ガランとした部屋に帰宅した母の再婚相手は、一体どんな気分であっただろうか。

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