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ロディニア〜個性派の弟〜5

2023年3月

ミスペンバリーの21は馬名が決まり「ロディニア」という名前になった。そのロディニアだが募集を開始してから半年以上過ぎたが、依然売れ残っている状況だった。

しかし兄のパンサラッサがサウジカップを制すと弟のロディニアにも注目が集まり、どんどん売れて行き約1週間で満口に。ロディニア自体は特に何かが変わったという訳ではないのだが···こうして弟にも期待が高まっていく。

そんな頃真平から連絡がくる

「YGGに入会したぞ!それともうすぐ広尾にも入会予定!あくまで最終目標はサンデーレーシング入会やけど、セカンドクラブとしてこの2箇所で楽しもうと思って」

一口馬主のパイセンのアドバイスが効いたかどうかは分からないがこれで真平もいよいよ一口馬主人生がいよいよ動き出した。まずはYGGでキンシャサノキセキ産駒とドレフォン産駒に出資したようだ。

「幻のダービー馬フジキセキがめっちゃ好きで思い入れがあって、その子供のキンシャサノキセキの子供が俺の出資馬第1号!なんか感慨深いわ」

夢とロマンを追い求めるのが競馬。一口馬主にはそれが凝縮されていると思う。

「それと広尾はロディニアに出資しようと思うねん。お前も出資してるよな?前送ってもらった出資馬リストに入ってたのを見て、ええ馬出資してるなあと思ってたんよ!パンサラッサの弟でしかもキズナ産駒!血統は抜群やん!」

「真平···ロディニアは昨日満口になったよ」

「まじか!間に合わんかったか!結構売れ残ってたのに。サウジカップ優勝馬の弟になったら急に売れ出すやん。まあしゃあないな。他の馬探すわ」

希望通りに出資は出来なかったものの、その後広尾でも2頭の馬に出資。出資馬は計4頭に。20頭出資してる私に驚いていたが、このペースならすぐに20頭くらいになるだろうなと思う。

 それから1ヶ月くらいが経ったある日、また真平から連絡がくる。LINEを開くとロディニアへの出資が確定したというメールのスクショが送られてきた。

「どういうこと?」

「キャンセル募集してたからダメ元で応募したら当たった。当たるもんやねんな」

キャンセル募集は募集締切後に諸々の事情で出資をキャンセルされた分を再び募集する制度。真平はそれに応募して当たったようだ。

「これで俺もロディニアの出資者になれたぞ!馬体は小さいからデビューは遅くなるかもやけど、馬体のバランスはええし、牡馬やし、なんせパンサラッサの弟やからな!期待しよう!」

同じ夢を見る仲間と一緒に1頭の馬を応援するのが

一口馬主の魅力の一つ。たまたまSNSのストーリーを見たことから真平に連絡を取り、僅か2ヶ月後には同じ馬に出資。その出資馬ロディニアは果たしてどんな競走馬になるのか。デビューの日が待ち遠しい。


2023年8月

(そういえばあれからどうなったんやろ)

ふとした時に気になって真平にLINEを送る。

「そういえばサンデーレーシング申し込みしたん?」

時間が空いてたようですぐに返信がくる

「今から募集馬発表されるんちゃうん?」

(そうやったっけ?)

と思いながらサンデーレーシングのホームページを開く。

(これって···)

「ちょっと!これ···」

と打ってホームページのURLと共に真平に送る。

「終わってるやん!あかんやん!やってもた!」

まさかの凡ミス。

「あー!俺キャロットクラブの募集スケジュールと勘違いしてた!あちゃーやわ!」

「まあええか。また来年や」

切り替えの早い男だ。

「とりあえず今年はロディニアに頑張ってもらおう!」

続く

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