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笑う君へ 第十二話 「心奥」

車に揺られて数十分

ちょっといい住宅街で滑らかにブレーキがかかる


◯:じゃあ、鍵渡すんで、さっき送った部屋に行っててください

  自分、車停めてから行きますね

マ:了解

田:早く行って色々物色しよ!

賀:面白そう!

マ:ほらさっさと行くよ


~~~~~


ガチャ

遠:お邪魔しま~す

田:おお、かなり広くない?

賀:探検のしがいのありそうなお家だ!

マ:常識は守りなさいよ~

田:冷蔵庫の中は綺麗だね…

遠:というより、入口から整頓されていない?

賀:私の家より綺麗….

田:かっきーは部屋汚いじゃん笑

賀:汚くはない!

  散らかってるだけで、片付ければいいもん

遠:ふふ笑

  あ、これ、この前かっきーが話してたシューズじゃない?

賀:あ、本当だ……

田:靴紐の色がちゃんと違うね~

  トロフィーとかも飾られてるし

賀:うん….

  (まだ思い出してないのかなぁ….)

田:ねぇ、こっちの部屋鍵かかってる!

  マネージャーさん、さっきもらった鍵で開かないですか?

マ:無理でしょ、1つしか渡されてないし

遠:何隠してるのかな

田:あ、こっちの部屋も開かない!

◯:あんまりガチャガチャやるなよ

遠:あ、お邪魔してま~す

◯:おう、で….

  賀喜はどうかしたのか?

賀:あ、いや、その….

  バッシュ見たことあるなぁって

◯:あ、そうか、知ってるんだもんね

  そうそう、まあ、結局分からずじまいなんだけど

賀:そっか…..

田:ねぇ、この部屋開けてよ

◯:そこねえ、まあ、いいか


ガチャ


◯:ほい

遠:防音なの?

◯:そ、時々、音楽とか映像流すからね

田:ギターもあるじゃん、鍵盤も

◯:昔練習してみたんだよ

マ:弾けるの?笑

◯:半笑いで聞かないでくださいよ

  全然、上手くないですよ

田:聞きたい!

◯:ちょっとだけよ

ジャジャジャ 

ジャカジャカ


◯:はい、終わり

マ:案外弾けるね笑

◯:なんでずっとにやけてるんですか

遠:全然上手じゃん

田:今度ライブで弾いてよ

◯:ダメでしょ

賀:あっちの部屋は?

◯:あ~、あっちは会社の情報があるから全部は見せられないけど

  ちょっと整理するから待って


〜〜〜


◯:お待たせ

田:ほんとはエッチは本とか隠してたんじゃないの?

◯:ないよ

  あるにしても寝室でしょ

田:そっか

遠:何か見られちゃいけないものがあるの?

◯:あるよ、多少は

賀:ふ~ん….

◯:そんな拗ねないでくれって

マ:女の子泣かせたらダメだぞ~

◯:いや、僕の首が飛ぶんですけど

田:じゃあ、代わりに何か秘密教えて!

◯:秘密?

  何が知りたいの

賀:じゃあ、今やってる活動の内容全部

◯:全部か、ま、いっか

  モデルとその撮影側、ジョーダンブランドの製作・販売

  後は乃木坂の社員で、趣味程度に絵描いたり動画作ったりかな

遠:色々やりすぎじゃない?

賀:すご…

田:もてるでしょ?

◯:いや、それぞれ独立だから誰も知らないよ

マ:けど、もう表出ちゃったからね

  色々番組から声かかってるから

田:え?!

賀:テレビに出るってことですか?

◯:まあ、そうなりそうね

  昨日色々会議したんだけど、ちょっと出ておいた方がいいかなって

遠:じゃあ、共演も…

マ:そのうちありそうだよ

田:お、期待!

  ちなみに番組は?

マ:あざといやつ?笑

田:おぉ、面白そう!

遠:私もですか?

マ:いや、詳細は決まってないよ

◯:はあ、そろそろ事務所戻りますよ

賀:はい、大野マネージャー!

◯:いや、メンバーのマネージャーはやらないよ

賀:え、てっきり…

◯:日程合わないでしょ、流石に

賀:がーん…

◯:わかりやすく落ち込まないで

  しょっちゅう、事務所にはいるから

マ:ほら、行くよ!

◯:車出してくるんで、戸締りお願いしますね~

  先行きますんで

ガチャ


田:そんなに落ち込んじゃって笑

マ:私の肩身が狭いわよ笑

賀:そういうわけじゃないんですけど…

マ:まあ、頼っていいのよ、彼には

  かなりデキるからね

遠:もうそんなにわかるんですか

マ:仕事早いし、撮影とかコーディネート系も完璧よ

  知らないと思うけど、showroomの内装もやってくれたりしてるのよ

田:じゃあ、結構会う機会はありそうですね

マ:ええ、他の仕事はセーブするって言ってたし

田:だってよ、かっきー

賀:うん

田:さては恋しちゃった?笑

賀:い、いや、多分、違う?かなぁ?

遠:ふふ、かっきーって意外とわかりやすい笑

マ:彼、堅物そうだもんねぇ

田:マネージャーさんがそんなこと言っていいんですか?

マ:彼は上手いことやるでしょ

  変に外の人好きになるよりいいし、恋するのは問題ないって言うじゃん

遠:だって、かっきー

賀:だからぁ

田:早くしないと他のメンバーにとられちゃうよ笑

  あの飛鳥さんが入れ込んでるんだから

賀:えぇ~

田:私もちょっと気にはなるし

  さくちゃんも心開いてるもんね~

遠:え、ま、まぁ、うん…

マ:あら、モテモテね、彼


キキッ


◯:乗って~

一同:は~い

田:私助手席でもいい~?

◯:だめ、助手席はマネージャーさん

田:ぶぅ

◯:万一事故ったら生存率が違うんだから

マ:あら、そうなの

◯:免許取る時教わらなかったんですか

マ:そんな真面目に聞いてないわよ、授業なんて

◯:まあ、いいや、行きますよ


~~~~~


事務所に着くと、全員が揃った

収録自体は先週あったから、多分、記事で集められたのだろうと思う

なんとなく雰囲気は暗かった



今:はい、みんな揃ったね

  まずは週刊誌のことだが、みんなも知っての通り、何も問題はなかった

  珍しく、わたしたちの主張が全面的に認められたからね

  少なくとも表面上は

  ありがとう、大野くん

◯:いえいえ、私の行動が発端でもありましたし

  気をつけますね

今:いやいや、対応は見事だった

  今後は表に出る機会も増えるから、みんなも知っておいてくれ

メンバー:はい

今:続いてだが、夏のシングルのメンバー発表だ

  今から呼ばれた人は前に来てくれ

賀:(さっき、大野くんが秘密にしてたのはこれか)


~~~~~


今:センターは賀喜

賀:は、はい

今:記事が出て、少し考える所はあったが変更はなしとした

  写真集の発売もあり、大変な時期かと思うが頼むぞ

賀:はい…

今:他のメンバーもいつも以上に協力をしてあげてほしい

  ピンチはチャンスというが、注目が集まっている時こそ

  成功がイメージを一変させる

メンバー:はい!


~~~~~


遠:かっきー、おめでとう!

田:いつでも頼っていいから!

賀:うん、ありがと

◯:この期間は自分が補佐で入ることになってるからよろしく

賀:あ、そうなの?

◯:うん、あくまで補佐だけど、行ける現場は顔出すよ

田:任せたよ!

飛:ねえ、〇〇、ちょっといい?

◯:はい


~~~~~~


飛:さっきの話本当?

◯:賀喜の補佐ですか?

飛:そうよ、大丈夫なの?

◯:自分の心配してくれてますか?

飛:だって、働きすぎでしょ

  自分の仕事も増えるみたいなのに

◯:まあ、誰かがこうなるんですよ

  賀喜よりは自分の方が適訳でしょう

飛:全く…

  何かあったら連絡するのよ

◯:ふふ、優しい先輩ですね

飛:またバカにしt

◯:けど、頼らせてもらいますよ

  賀喜のことも見てあげててくださいね

飛:それはもちろん

◯:じゃあ、お願いしますね

飛:おっけー

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