走馬灯についての考察
小さい頃幽霊を見た。
弟の妊娠で母が入院していて、祖母の家に預けられていた時なので、5歳くらいだったと思う。その日は祖母が買い物に出ていて、ひとりで留守番をしていた。
小一時間経った頃だろうか、襖の奥、障子越しに祖母がゆっくりと歩いて行く影が見えた。襖は子供が開けるには重かったので、玄関に向かっていき、遠回りしながら、「おばあちゃん!おかえり!」と走って追いかける。
祖母が歩く廊下の先は物置に繋がっていて、他には何もない。廊下をサーッと滑って、ワクワクしながら物置の戸を開けた