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好き漫画を語る〜『山を渡る-三多摩大岳部録-』1巻~3巻

最近のアウトドアブームからか、山をテーマにした漫画をよく見かける…と書いておいて、いやその前から『ヤマノススメ』とかあったじゃん、と思い直す。
最近始まった作品で読んだのは、(そのうちこちらも書こうと思うけど)ヤンジャンアプリで読める『やまさん〜山小屋三姉妹〜』『つばめアルペン』。山小屋経営者と高校登山部と扱うものは違えどどちらも山に関わる作品で、今回挙げた『山を渡る』は大学山岳部もの。

伝統ある、三多摩大学の山岳部。だが今年の春、部は存続の危機を迎えていた。理由(1)新入部員は女子3名のみ。理由(2)全員、登山経験ナシ。理由(3)彼女たちの特徴は虚弱、ゲーム狂い、読書好き……そんな「山ガール」ですらない3人を抱え、山岳部は果たして活動していけるのか?!
過激な登攀もあり。楽しいピクニックもあり。男子も女子も、文系理系留年浪人、誰でもオーケー。全てを包み込んでくれる“山”を舞台にした、大学生たちの群像劇!

『山を渡る-三多摩大岳部録-』1巻Amazon紹介文より

書きたいことが多いのでとりあえず今回は1~3巻、新入生3人が入部して、高尾山から始まり雲取山で初めてのテント泊をするところまで。
主に新入生が徐々にステップアップしていく新入生成長ターンと、合間に三年の金田と草葉、二年の黒木が難度の高い登山をする上級生ガッツリ登山ターンが描かれている。

キャラとして好きというか共感を持って読んでいるのが、山岳小説に憧れて「実際に同じ体験をしたい」と考えた文学少女の加賀っち。
たまたま高尾山口駅で出会った山岳部メンバーと一緒に高尾山に登りそのまま入部することに。

『山を渡る-三多摩大岳部録-』1巻76ページ

なんかわかるんだなぁ…多分オタクがハマった漫画に出てくる職業の人に会って興奮したり、聖地巡礼するのに近い感覚なんじゃないかなぁ…いや違うかも知らんけど。

その後も文学少女ならではの感性で、時々差し込まれる加賀っちのモノローグがいい。

『山を渡る-三多摩大岳部録-』3巻61ページ

3巻で初めての一泊登山を経験した加賀っちのモノローグ。この先の巻にも登場するちょっと文学的な感じのモノローグのいくつかは、加賀っちの日記から抜粋、というイメージなんだと思う。

初めての一泊登山で日の出を見た新入生の南部ちゃんが嬉しさのあまり泣くシーンもすごく好き。
登山じゃないけど、初めてキャンプをした時なんかすごく自己肯定感が上がったんだよなあ…アウトドアに全く縁がなくて体力もくそな自分が、自分の力で住居となるテントを立てて、その中で一泊過ごせたというのがとにかくそれまでの自分ではあり得ない!と思って。
ブーム真っただ中に友達から誘われて始めたキャンプだけど、日常じゃ感じない自己肯定感爆上がり感があるんすよねえ。
南部ちゃんは体も人一倍小柄で、体育の授業も見学していたような子だから、すべての荷物を背負って東京で最も高い山に登り、一晩テントで過ごすなんて想像もつかないことだよね。

『山を渡る-三多摩大岳部録-』3巻92ページ

私は南部ちゃんと違って体力は今でもくそなんですが。

掛け合いの面白さで言ったら1年生の入間と3年の金田がイイ。
山岳部って体育会系のはずが2年の黒木も含めてあんまり先輩後輩の関係がガチガチじゃないんだけど、それが入間になるとより顕著。
理系なのにぬいぐるみの菊千代がないと眠れなかったり、何気にギャップ萌えキャラでもあるよね、イリマー。

『山を渡る-三多摩大岳部録-』3巻152ページ

3巻では夏合宿の行く先を決める前に、標高2500m以上の高山に挑戦!
合宿は南アルプスになるか、北アルプスになるか?!

ヘッダー画像は2巻で1年生たちが登った丹沢大山から見る富士山。
2023年のGWに登ったんだけど朝7時半に秦野駅に着いたらバスが長蛇の列になっていて、バンバン臨時便が出る状況(そして峠で詰まる)。山に登る前から山登りナメてましたわ。

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