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第四話 あの時のこと…

今日は珍しく、あおい神楽かぐらちゃんの3人で駅まで一緒に帰ることになった。それにしても3人で一緒に帰るのはなんやかんやいって初めてのことでは?嬉しいな。うーん、周りの視線が少し痛いが。
「ねぇ、めっちゃ周りから見られてない?流石にくっつくのは良くないんじゃない?」そう、この2人今僕を挟んでくっついているのだ。うん、だから周りの目線が……
「え?そうですか?私はそうは思いません。暖かな眼差しですよ?周りの方々は……」と葵は言うが果たしてそうなのか?と思ってしまう。
「そうですよ。悠真ゆうま先輩、別に恥ずかしいことではないですよ!私は少し嬉しいとまで感じてしまいます。」とまぁ、神楽もこんな感じだし僕が気にしなかったらいいだけの話か。それもそっか。
「よし!今日は本屋にでも行こうよ。僕が行きたいから付き合ってくんない?」と聞くと、
「付き合ってって今言いました?そんなんまだ早いですよ、えへへへ。」と変な勘違いをしている。
「いやいや、なに言ってるんですか?悠真ゆうまくんは私のものです!」と対抗するあおいうん、だいぶ修羅場じゃない?ここ。
「2人とも何言ってるのさ?!そんな、僕のために争わないでよ。えへへ」
 なんか、2人がそ僕のことで争ってるのを見たら嬉しくなってきちゃった。( ´ ▽ ` )
「「何言ってるの?」」となぜか僕が頭オカシイみたいな扱いを受けた……なぜだ?とまぁこんなに楽しく会話をしながら本屋の方に僕らは着々と向かっている。
「そういえばさ、神楽かぐらちゃんの好きな本ってどんなの?ラノベとか?それともラブコメとか?」
「私の好きな本……ですか、うーん、なんだろ。結構色々なジャンルの本を読んでいますからね。まぁ、最近はラブコメにハマってますよ!あれは、自分の知らない世界ですから興味があります!」
「おー、ラブコメかー!いいな、あのジャンルは恋愛したことない身からしたら少々悲しくなってくるところもあるけど面白いよね。僕もよく読むよ!」
「先輩はどんなのをお好みで?」とないのに眼鏡をクイっと上に上げる仕草をした。かなり知りたそうだ。そりゃそっか初めての友達だもんな。どんな趣味があるのか気になるよねー(棒)
「私も少し気になります……どんなのを読んでるんですか?」とあおいも少し気になっている様子。
「僕の好きな本のジャンル。もちろん星なのどの本を読むことが多いけどそれ以外だと……ライトノベルかな?」
「ほうほう、どんなの?」
「どんなのですか?」2人ともそこが気になるみたい
「うーん、やっぱり異世界転生系かな。あの独特の世界観が好きなんだよ!良くない?自分たちのに世界にないものなんだよー!」とオタク特有の早口になる。
「そうなんですか。面白いですよね!私も良く見ます!例えば……」と話しているともう本屋さんについていた。
3人目で本屋に入っていく。そこには万冊とも並ぶ大量の本が綺麗に陳列されている。「うわー、すごいな。」とつい声が出てしまう。やっぱり本屋は何回来てもすごいと感じてしまう。2人の方をみると2人とも目をキラキラと輝かせて今すぐに本を手に取りたそうな顔をしている。
「さぁ、どれをみる?やっぱり最初は無難に漫画コーナーから行く?」とどこに行くか質問したら2人は少し悩み、そして
「そうですね。最初は漫画からいきますか」
と漫画コーナーに最初行くことになった!
いはや、何週間ぶりだろう。本屋なんか。
この、本屋さんの紙というか新書というか新しい紙の匂いがぷんぷんとしているのが本当にたまらないんだよな。毎日でも通いたいくらいだ。でも、最近は時間がなく本屋さんにあまり足を運んでいなかった。久しぶりの本屋さんだ今日は欲しかった本は全て買うぜ!と、そんなことを思っているとあっという間に漫画コーナーについた。
「あー、この漫画の新刊が出たんだ!この人の絵は上手いから好きなんだよな。絵の秀才さんなんだよなー。買っちゃお(^^)」なんかいいものがあってニヤついてる神楽かわええなー。癒されるー。なんて思ってたら「神楽ちゃんが彼女だったら楽しそうだな」ととんでもなく恥ずかしいことをポロッと呟いていた。無意識で(流石に少しまずかったか?訂正しなくては…)「あ、あの神楽ちゃん今のはそういうのじゃなくて…」と訂正しようとすると同時に「悠真先輩それ本当に言ってます?!えへへ」と頬を紅潮させていた。なんだこの可愛い生き物は?!なんて思ってたら隣から痛い視線を感じる。「悠真くん、なんでそんなにイチャイチャしているんですか?ここにいる私の身にも少しはなって欲しいです。全く」と怒っているのか呆れているのはそんな曖昧な感じの口調で聞いてくる。「ごめん、そんなつもりではなかったよ!本当に、」と誤魔化す。「むむむ、怪しい。神楽ちゃんも悠真くんのこと狙ってないですよね?私がす…。なんでもないです。」とあおいもなぜか頬を紅潮させている……あれ?僕って今かなり幸せなんじゃない?いつも学校で1人で本を読んでいるような典型的な陰キャだったけど今は友達のいる陰キャになれたぞ!!むふふ。なんてことを思っていたら2人とも欲しいものがもうみつかったようだ。「さぁ、次はどこに行く
?ラノベのコーナーに行く?それとも新書のところ?」「うーん、新書コーナーにまず、行こ!」と神楽かぐらは言う。「ラノベから行きましょう」と葵はいう。意見が分かれてしまった。「先に新書からでしょ!!」「いえ、ラノベからです」と可愛い口げんかが始まった。「「悠真はどっちに行きたいの?」」と僕も巻き込まれる形に……「とりあえず近い新書コーナーにいってその後にレジの近くのラノベコーナーに行くって言うのはどうかな?」「なるほど。それが最適ですね。なら、新書コーナーに行きますか。」と、葵も納得してくれたようだ。新書コーナーに来て、自分の気になる作家さんの新書を買った。
ふたりも気になる本をとり、ラノベコーナーの方に行き、そこでも各々ほしい本を買う。ほしい本を買った次は喫茶店に入る。コーヒーを頼み三人で最近の学校について話す。
「最近学校で話せる友達とかできたの?神楽ちゃん。」
「できたといえばできましたよ!先輩が話せる友達じゃないんですか?それ以外はできてませんよ」「いやいや、僕以外にも話せる友達つくろうよ。クラスに作ればいいじゃん」
「そんなこと言ってますけど悠真先輩は葵先輩以外に話せる友達はいるんですか?」
く、痛い所つくな、この子。
「悠真くんにそんな人いるわけないじゃないですか。話せるクラスメイトは私くらいですよ?ね?悠真くんー?」
「はい、その通りです。話せるクラスメイトなんていません。」
「ほら、やっぱり。先輩も、人のこと言えませんね。プププ」神楽は僕のことを嘲笑しているみたいだ。
「でもね、僕には人が苦手な理由があるんだよ。昔…小学5年生ぐらいかな。1番仲がいいと思ってた親友に上でこそこそ僕の悪口を言っていたみたいなんだよね。それが辛すぎて学校にも一時期は来れてなかったんだよ。それがトラウマすぎて今、人が怖くなってしまってるんだ。そして、、その親友だと思ってた人たちも悪戯のようにそこからもずっといじってきたんだよ。で、そんなことがずっと続いたらそりゃ人間不信にもなってしまうと思うんだよね。」
「そんなんですか。すみません。そんなトラウマを思い出させるようなこと言ってしまって。」この子はしっかりと人の気持ちがわかるいい子だな。
「いいよ。そんなこと気にしないで!まぁ、あんまり友達ができない理由は昔からいじめられてたからなんだよね。」
「そうなんですね。なら、、そのトラウマを壊すくらいの勢いで私たち3人で沢山遊んだり、話したり、お出掛けしたりしましょ!」そこにはさっきまで僕のことを嘲笑していた神楽ではなく真剣な趣で話す彼女がいた。
「まあ、そんなことはいいじゃないか」
すると、僕のスマホが鳴った。
ニュースの記事の通知だった。見出しを見てみると『明後日の夜のアカギラ流星群が日本上空を通過する模様。』という事だった。
「見てみて明後日にアカギラ流星群がくるみたい。よかったら見に行こうよ。」と提案すると二人は
「もちろんいいよ」と言ってくれた
「どこで見るの?もしかしてこの間いっていた秘密の場所って言ってた所?」
「そうだよ。あそこで見えるぽいよ。見に行こうか明後日に。」という事で明後日に三人でアカギラ流星群を見に行くことになった。
楽しみだ!

第四話 あの時のこと… 終わり


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