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正しいか優しいか問題2(装具編)

だいたいの回復期病院では、その人の状態にはよると思いますが、既定路線として、入院後しばらくすると、装具を作り、装具と杖で歩けるようになり退院とういう流れが多いようです。
僕も、入院後一定期間が経つと右も左も分からないまま、その流れで、医師の判断で、ごっついクレンザックの金属製装具を作られ、専用の靴も用意され、それで、リハビリが始まりました。
そして、しばらくして、ふと気が付きました、これダメじゃん、僕の目的は、家での生活が出来るだけではありません。
それ以上に仕事に復帰することが大きな目標です、それも、試運転現場にです。僕は仕事がとても好きだし、試運転が一番楽しい作業であり、まだまだ、経済的にも、働く必要があります、僕は、大金持ちではないので、そこは外せません。
それに、まだまだやり残したこともあるし、家に引きこもって隠居するのには早すぎます。
ただ、現場復帰をする、要は工場内に入るには、安全靴をはく必要があります。
クレンザックの装具では、足先に鉄のカバーが入った安全靴をはくことは不可能なのです。
僕は装具が嫌なのではありません、それで楽に歩けるのであれば、大歓迎なぐらいです。だが、仕事の完全復帰(現場復帰を含む)をする、工場内に入るには、安全靴が必要。僕にとってそれは、絶対条件です。
その後、STの担当者、装具科の医師と何度も話し合い、自分でも安全靴を履ける装具を探し、これではどうかと提案しましたが、特に装具科の医師は、けんもほろろに、まったくとりあってもらえず、頭から、上から目線で、こっちの話も聞かずに、、クレンザックの装具じゃないと足が痙縮してしまうと言い、全否定でした。
僕は、装具専用の靴を履くのが嫌だとか言っている訳ではありませんし、仕事が好きというのはあるが、さっき書いたように、仕事に復帰して、お金を稼ぐ必要もあるのです。
色んな手厚い国の制度で、補助を受けたとはいえ、1年以上働けなかったことは大きいし、仕事に復帰出来なければ、この先の人制設計もかなり違ったものとなってしまいます。
それも、少しでも元の形に近づけたいのです。
もしかしたら、装具の医師は、ただ単に僕が好き嫌いで言っていると思ったかもしれませんが、全く違います、切実な事情もあるのです。
僕が提案した装具は、外国製の物でしたが、日本の市場に流通しているものだし、それを採用している病院もあります、後に、その販売会社に、試足しに行きましたが、良くできていると思いました、ただ、医師の処方失くして、装具を購入した場合、すべて実費となります、装具は、意外に高額で、先の収入の見込みが分からない僕には、簡単にこれくださいと、購入できるものではありません、その時、すでに装具無しの杖歩行で、そこそこには歩けていたので、装具無しのまま、現在に至っています。
なんか自主トレ問題に似ている気がします。
たぶん医師の言うことは正しいんだと思います、ただ、僕にとっては、受け入れられなかったです。無理だとしても少しは、僕の立場に立った、解決策を考えてほしかったです。
で、前に書いた顛末の通り、僕は、早期退院をし退院した次の日には、都内の著名な自費リハ施設に行き、その1週間後に、また別の自費リハ施設に行きました、そこの先生は、僕の身体をじっくり見てくれ、体のあっちこっちの筋肉を細かく調整し、身体のアライメントを整えてくれた後、僕の希望を聞き、大丈夫こんなごっつい装具はいらない、オルトップ程度で十分と言ってくれました。
確かに、痙縮の心配が無いわけではないが、痙縮は筋肉の緊張により起こるもの、そうならないように自分が診るとも言ってくれました。
実際のところ、装具科の医師以外、他の自費リハの人、訪問リハの人も皆さんオルトップで十分と言う意見が多かったです。
これも、どちらがいい悪いは、ありません、どちらも、僕の身体を思ってのことだと分かっています。
ただ、自分が診ると言ってくれたことで、安心感を感じ仕事復帰への光明が見えてきた気がしてリハビリへの取り組み方にいそう積極的になったのは事実ですし、その後、クレンザックの装具はほとんど履かずに、現在に至りますが、とりあえず、足の痙縮は大丈夫ですし、1,2回は、現場にも行くことが出来ました。
まだまだ、自分が目指すレベルではないですが、少しづつ目標に近づき、そして少しづつ、ハードルを超えていくことは、リハビリにもとてもいい影響があると感じています。
僕の悪いところは、先を急いで焦ってしまうところで、でも、片麻痺という後遺症が、そうであるように、焦って力んだらダメだということに最近気付きました。今では、焦らず、じっくり力を抜いて、リハビリに取り組んでいます。
そして、今でもそのリハビリ施設、WillLaboに通っていますし、この先も、通い続けると思います。


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