ついに「完全無欠」を観測した。
遥か前よりやつは「完全無欠」だったのだ。

日はクリスマスイブ。
遅刻だ。

私は遅刻癖があり、今も遅刻している。
そんな私にやつ兼友人はグミを分け与えた。

その後友人の行ったことのある喫茶店に行き、
テラス席でコーヒーとケーキセットを頼んだ。
他愛もない話をしながら待ち、飲み、食べる。
こんな時間がとても好きになった大学生活だ。
ただ12月のテラス席は徐々に私達の体温を奪っていった。
コーヒーと毛布と店員さんの優しさが私達を暖めた。

その後メインである「ジャズ大名」を観劇した。
もちろんその友人の勧めである。

事前情報がないまま観劇したが、
その空間はどこまでも一体であり、ずっと続けば良いと思うほどだった。
また初めて劇を観たが、映画やドラマとはまた違う、全身を使った表現があり良かった。
文字だけで表すことのできない豊かさがあり、心の底から音楽をやっていて、好きで良かったと思った。
と同時に喫茶店からの劇という正解を導き出す友人の「完全無欠」を観測した。

最近このような瞬間が多く、素晴らしくなっている。

その後雑貨屋に行った。
この雑貨屋はもう1人の友人が前日リサーチしてくれていた。
その雑貨屋ではヴィンテージの服やサングラス、ボタン、店内では古き良き洋楽が流れており私の癖でしかなかった。
そう、その友人も「完全無欠」だったのだ。

癖でしかなかったものの、今回は正中線が貫かれるような物はなかった。
どうせまた行くんだけど。

その友人は調子の良いボタンを買っており、お店側で指輪にしてくれるらしい。
その指輪を私に自慢し、新たなる完全無欠となる友人が目に浮かぶ。

日も暮れ夕食を食べることになったが、
完全無欠友人1がまたもやその名に恥じぬ正解を叩き出した。

おでんである。

おでんを食べ、お酒も飲み、また他愛もない話をする。
1日が収束に向かっていた。

そして私は日本酒の出汁割りを頼んだ。
その出汁割りを飲んだ瞬間分かった。

そう。

私も「完全無欠」だったのだ。
もしかしたらおでんが完全無欠たらしめたのかもしれない。

その後カラオケに行き、チャレンジしたいと思っていた曲を歌った。
もっと完成度をあげたい。
あとゆらゆら帝国の「空洞です」を聴いた友人(完全無欠友人2)が
「意味を求めて無意味なものがない」
という歌詞が良いと言った。
私はこの歌詞が本当に好きなので改めて良き友人を持ったと心底喜んだ。

終電が無くなりそうになり駅まで走っている完全無欠友人1が自身のことを
「完全無欠なのにおっちょこちょい属性も持っていて自分が可愛すぎる。」
的なことを言っていた。

1日の終わりにクスッと笑えることも言える。
その素晴らしさに私は感服した。

私の生が始まって22年間、
1番有意義なクリスマスイブだった。

クリスマスイブの枠組みを取っ払ったとて人生における有意義すぎる、素晴らしき1日だった。

完全無欠も多様化する時代で良かった。

あとM1グランプリで中学高校の先輩である令和ロマンが優勝したのも含め最高。

そして寝、キャロルを観に行く。