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おい、坊やをあっちへ連れて行け

みんなに喜ばれ
みんなに疎まれて
けれども気にせず気高く無垢であった君。

そそがれたカクテルの
含まれたウォッカのような君に触れると
ケラチノサイトは細やかに、
嵯峨本と錯覚するが冷たさが追いついてくる。

踏まれて、蹴られて、投げられて、
煤を纏った君は奥歯を噛み締めて堪えた。
そそぐこともできない。
泣けば消えるのはわかってる。
生まれは同じだから一緒にはいられないから
良いことといえば若くなることだけ。

いまは蹲って、目線が合わない。
見窄らしく触れることも憚られる。
その面積を減らしてゆく。
みんなに過ぎられ
みんなに無視され
子供らだけはちかよって、
ちいさいおかおは太陽フレア。
その手をひかれる。

「どうしたの」とは思わない。
もうすぐ君はいなくなる。
君の心臓はエアロゾル。
僕の心臓もエアロゾル。





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