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WD#91 陸上部だった日々

書くことが特にないので、いつか書こうと思っていた中学時代の部活の話をしようと思う。そこに理由はない。単純に機が熟しただけ。



まず、私は中学3年間陸上部に入っていた。わかる。全然そんなイメージない。だって今は化学部だし。ではなぜ陸上部に入ったのか、その辺りの話から始めてみよう。

理由に関してはかなりシンプルである。大前提として中学校では運動部に入っといた方が良さそうだなという雰囲気を感じていた。そんな中、2個上の兄が陸上部に入部し、まだ小学生だった私は兄の試合などを親と一緒に観に行ったりしていた。そんなこともあって陸上部の雰囲気が運動部の中では1番分かっていたため、結果として有無を言わず陸上部に入部届をシュートしたというわけだ。

しかし、兄は長距離をやっていたのだが、私は絶望的に長距離に弱いのでそっちは断念し、普通にメジャーな短距離に行くことにした。

ここで問題になってくるのは、その分母である。私が通っていた中学校は陸上部が最も多くの生徒を抱え持っており、確か最盛期で全員で80人くらいいた。そんな中でメジャーな短距離を選ぶという行為が何を意味するのかお分かりだろうか。

陸上部にはもちろん大会がある。ただ、何人でも、好きな競技にエントリーできるというわけではない。各学校で、それぞれの競技に出すことができる生徒の人数が決まっており、大体各学年で1つの競技につき2〜3人なのだ。つまり同じ競技を選択するということは、この狭き門を争うということでもある。

さあ、私にそんな能力があるのか。これが、かなりギリギリのラインだった。

短距離と一概に言っても種目はさまざまで、1番メジャーなのは100メートル。そして中途半端に長くて疲れる200メートル、もうほぼ長距離の400メートル、もはや別次元のハードル走など。

私は手っ取り早く終わるしラクそうだという極めて怠惰な理由で100メートルに出たかったのだが、意外と周りの人も控えているのか100メートルを選ばず、結果としては同学年で男子100メートルを狙っているのは確か5人くらいになった。

しかし、やっぱりいるんですよね。バカみてえに速い奴が。2人。なのでそこはもう枠が固定されたも同然。となると、あと残された枠はもう1か、たまに2くらいしか無くなってしまった。

そして私はというと、その中で3〜4番目くらいの速さではあった(最盛期は結構速い方だったと自負している)。なので、基本的に出られるけど、たまに出られないみたいな。そんな感じだった。

ただ、後半になってくるともう2人しかエントリーできないようになってしまい、私はほぼ居場所を失った。そのため、「じゃあまあ次に距離が短い200に行くしかないな」というなんとも短絡的な思考回路で、そこからは主戦場は200メートルで、たまに100も出る人間として活動することとなった。



そういや部活の練習内容とかに触れてなかったのでここで触れておく。

陸上部はどんな練習をしているか。それはとても簡単で、「走っている」。以上。そりゃ走ることを専門とする人たちの場(投擲などになってくるとまた別案件ではあるが)なので、手を替え品を替え、とにかく走らせてくる。

練習内容は逐一言われるわけではなく、月初めに「メニュー表」を配られる。そこにはこの日は練習をして、短距離の人はコレ、長距離の人はコレ、と言ったように顧問の策略がExcelで端的にまとまったものが書かれてある。これが我々を時に絶望させ、また時に歓喜させる。

例えば、月曜の放課後の欄に「ラダー(陸上部の練習でおそらく最も楽なもの)」と書かれていれば月曜の放課後は勝ちだし、土曜の練習の欄に「サーキット&坂ダッシュ(陸上部の練習でおそらく最も酷なものNo. 1と2)」と書かれていれば土曜の練習に行くかどうかという根本的な点を割と真剣に考え始める。

じゃあ休めばいいじゃないか、という声も上がることが予想されるが、世の中そう簡単な直列つなぎではない。陸上部には「欠席届」たるものが存在しており、陸上部を欠席する際はそこに休む理由などを記入して職員室のボックスに出しに行かなくてはならない。

しかし、中1であんまりルールが分かってない状態で荷物を背負ったまま職員室に入ったらめちゃくちゃ普通に注意されてそれ以降職員室に入るのがかなり嫌になった自分にとって、その制度は私に「そんなダルいことするならもう行くか…」という判断を余儀なくさせた。

ちなみにこの制度は後半になるにつれヌルくなっていき、なんか陸上部の人に伝えといたらOKみたいなまるで違う制限力の掟に変貌した。



また、陸上部には朝練もあった。懐かしいな。でも朝練と言えど、例えば「120m×9」という人間が朝にやっていい運動の量の範疇を大幅に超えたメニューであったり、シンプルに「20分間走」というメニューが組み込まれていてなんとかこなしたあと、その日の体育でもう一回20分間走をするという所業もあった。もはや運動部に理屈なんてない。ただ運動をすればいいのだというある意味真っ直ぐな顧問の気持ちがそんなメニューを成り立たせているのだ。



ここで、大会の話に戻り、陸上部の大会とはどんな感じなのか説明しようと思う。

一言で言うと、自分の出番の割に長すぎる

毎回朝8時くらいに現地の競技場に着き、帰るのは毎回午後5時とかそのあたり。つまり、単純に滞在時間が9時間ほどある。しかも大前提としてそれは外なので、おっきいテントを張って外で9時間。夏場とかは本当にしんどい(でも大会は夏場がどうしても多い)。

そして肝心なのは、その待機時間に対する自分の出番である。例えば100メートルに出たとしたら、招集などを除いて、自分が競技を行っている時間は1分にも満たない。だってスタートの姿勢を取る(約30秒)→走る(約15秒)で終わりだから。

つまり、短距離の人はこの数秒のために9時間浪費しているのである。これは後々抱いた文句ではなく、大会の度に思っていた。コスパ(タイパか?なんだよタイパって。ダイパ(ダイヤモンド・パールの略称)みたいに言うなよ)が絶望的に悪い。

そのため、陸上部員はその十分な待機時間で各々課題やら雑談やらやっていた。もちろん自分もその1人で、たまに課題に飽きて友人らと眼鏡で太陽光を収斂させてパンを焦がしたりしていた(これができるのは自分の眼鏡が遠視用だからというのに気づいたのは割と最近である)。



陸上部内での人間関係は割と良好のまま終われた気がする。目立った対立もなく、人数は多かったけど仲良くやれたと自分は思っている。他の人はどうかなんて知らない。もしかしたらめちゃくちゃ嫌悪されてたかもしれない。

ただ、たまに「誰か1人の人間を笑いの対象にする(その対象になっている人は別に笑わせようとしているわけではない)」という私が最も嫌いとする雰囲気を感じることもあり、そういう時は「なんか嫌なことしてんなー」と集団からは一歩離れた心理でその場を耐え忍んだりしていた。

ちなみにこの「誰か1人の人間を笑いの対象にする」という雰囲気は中学校のとき各所で横行していてそれが死ぬほど嫌だった。例えばクラスで浮いてる人を笑うとか、シンプルに物を奪ったりとか。後者に関しては2年の時めちゃくちゃ被害に遭っていたので他人事ではない。そういう記憶は割と粘着性があり、実際そのせいで、多分楽しいこともたくさんあったけど、中学生では2年が1番楽しくない期間だった、という記憶になっている。

そういった面でも、高校は自分にとってとても過ごしやすい環境なのだ。これを読んでる方は、多分今「文章を読む」という行為をしている以上このような異常行動はしてないと思うけど、気をつけて下さいね。



3年の7月に部活を無事終えることができた。最後の大会の記憶は全くないのでなんの記述もすることができないが、この引退に関していまだに引っ掛かっている点が1つだけある。

それは、「後輩からのプレゼント」の件である。実は私が1年、2年のときは引退する先輩1人1人に今までありがとうございました的な旨を書いて(しかもこれが寄せ書きではなく、1人に対し1人が一枚の紙にメッセージを書き、それを後輩の人数分綴って渡すというかなりボリューミーなプレゼント)渡すというイベントが毎回あった。1年のときはちょうど兄の引退だったので、私も兄に白々しいメッセージを10行くらい書いてビビらせた。

そして私たちの代が引退するタイミングとなり、「いつ頃貰えるんだろうなー」と思い、その感情を抱いたまま、今に至る。

どうなってるんだよ。私だけ貰えてないのか?そんなことあるか?多分我々の代で廃止されたんだろう。だからそんなことある?後輩が嫌って言ったのか?確かに我々の代は人数も多かったから1人1人にメッセージ書くの大変だと思うけどさ!なんかその辺りがモヤッとしたまま終わってしまった。




とまあ、陸上部の話はこのくらいですかね。

今まで日記で中学の話をしたのは、確か修学旅行の話くらいだった気がする。その他にもチラッと出てきたことがあったかもしれないが、多分そのくらい。

そして今回部活の話をしたので、私が書ける中学校の話は以上となります。

これは別に、これ以上は嫌な話になるからとかそういうわけではなく、なぜかわからないが私が中学校での日々をほとんど覚えていないからなのである。覚えていることもいくつかあるが、どれも日記に昇華できるほど中身のある内容ではない。

まあ、過去に執着するのも良くないし、今起きてることを伝えるのが「日記」というものの本来あるべき姿だと思うので中学の話もこれくらいで辞めるのがベストである。

陸上部で学んだ今も役立つことと言ったら、まあ無いですよね。ただ走って、なんか体幹トレーニングとかして、そしたら終わったので何も残らなかった。運動部なんてそんなもんだ。

じゃあ最後に当時の陸上部あるあるを言って締めようと思う。



野球部がバッティングの練習をネットなしでやってる中アップでグラウンド走るの、怖すぎる








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合唱コンクールでちゃんと歌っておらず、しかもそれを「かっこいい」と履き違えている人から地獄に落ちるらしいので声は出しといたほうがいいと思います

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