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中央林間のよっちゃん(怪談ではない)

 清野とおるさんの「電車の怪人」という話をご存知だろうか?1980年代後半、小田急線付近で目撃された怪人で、新耳袋でお馴染みギンティー小林さんの「三本足のサリーちゃん」でも同様の人物について語られている。


 セーラー服姿に松葉杖をついており、サリーちゃんのお面をつけたガタイの良い(恐らく)おじさんで、片足が無い(義足の時もある)姿から三本足と形容されし圧倒的ビジュアルの人物である。年代的にもう亡くなってしまったかもしれないが、叔母の知り合いYさんが昔、中央林間駅のデパ地下で、よく似た人物を目撃したことがあるそうだ。

 その人物は「中央林間のよっちゃん」と呼ばれており、見かけた時はサリーちゃんではなく不二家のペコちゃんのお面を付けていたそうだ。夕方主婦で賑わう食品売り場に、一人だけセーラー服で松葉杖をつきペコちゃんのお面を付けた人物がいた光景は本当に異様で、彼(もしくは彼女)は試食コーナーでウインナーをバクバク食べていたそうだ。Yさんはふと食べる時はお面をどうするのか疑問に思いジッと観察していたそうだ。顔を見られたくないからか、彼は食べる時だけ僅かにサッとお面をずらしウインナーを食べていたのだが、その瞬間に見える顔が妖怪のぬっぺらぼうのように肉のような赤みがかった色で、顔の肉はダルんダルんに垂れ下がっていたそうだ。確かギンティさんの話にも顔を少し見た人の話が出てきて、その顔の特徴が自分が聞いた話と全く同じだったので、この話を思い出した。今となっては見れない不思議な人物の話。

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