詩 【 無題 】
要するに【セカイ系】
抗うも 挫折するも
すべからくフラットに宙をたゆたつてる
「 いっかい死んでみる? 」 と君。
「 死んだらおしまいだよ 」 と僕。
死ぬのはいっかい でもみんないっかいは死ぬ
そんないっかいきりのことで
くよくよ悩み おろおろたじろぐ
【セカイ系】とはつまり
いっかい死んでしまった自分なのではないか
想像のなかでいっかい自身を殺し
そしてそんながらんどうになった
肉塊をひきずり
いっかい死んでしまった廃墟に
新たなる生命を吹き込む
「 アンビエントなセカイさ 」
「 ほんとうは誰もがひとりなんだ だから淋しくはない 」
「 僕は僕でないふりをして君でない君とつながってる 」
「 どこにでも通じる普遍的なテーマなんだよ 実は 」
「 笑えないギャグにみえてそれが面白くないのは
君が君にしばられてるからじゃないかね? 」
「 名前なんてほんとうはあってないようなもの 」
「 何者でもない僕は何者でもない君と一体だよ
共通の思想なのだよ 」
マンガを描く マンガを生きる
マンガのなかではすべてがひとつで すべてはつながってるんだ
君が疵を負えば僕も疵付く
セカイは自傷に彩られた何者でもない僕たちだけのセカイ
当てどなく 遥か彼方まで
僕が僕でなく 君が君でないかぎり‥
20081107
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?