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となりの家から「行ってらっしゃ~い!」

娘が3歳の頃です。共働き夫婦の私たちは保育園の送り迎えを交替でやっていましたが、その日は夫が自転車で送っていくことになっていました。

「行って来まーす」と言って娘は夫といっしょに玄関を出ました。朝食の片づけをしながら出勤の準備をしていた私は玄関にも行かず台所から「行ってらっしゃーい!」と声をかけました。

少しすると「ママ、行って来まーす!」という娘の声が外から聞こえました。私は家の中から再度「行ってらしゃーい!」と言いました。

すると「ママ、行って来まーす!」とまた娘が言います。私の声が届かなかったのかと思い私はさっきより大きな声で「行ってらしゃーい!」と言いました。

「ママ、行って来まーす!」またまた娘の声です。「何回言わせるのよ」と思い私はつい声を荒げて「行ってらっしゃい!」と言ってしまいました。

その直後です。隣の家から「行ってらっしゃ~い!」というやさしい声が聞こえました。隣に住む女性が私の代わりに言ってくれたのです。

私は反省しました。娘は私の温かい「行ってらっしゃい!」を聞きたかったのです。顔を見て言ってほしかったのです。忙しいからと言って娘の顔も見ずに片手間に「行ってらっしゃい!」と言っていたことを私は大いに反省しました。

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